自分で撮った写真がストックフォトとして販売されるためには、まず写真をストックフォトサイトに審査申請に出して採用される必要があります。
当然のことながら、ストックフォトとしては不適切であると判断され、販売NGとなる作品も出てきます。
今回は、そんな販売NGとなった作品について取り上げ、どんな写真が販売NGとなるのか考えてみたいと思います。
最も多い販売NG理由は「画像が鮮明ではありません」
審査申請に出した写真が販売NGとなる理由で最も多いのが「画像が鮮明ではありません」というものです。
実はトップ画像のコスモスの花の写真も「画像が鮮明ではありません」との理由で不採用となった作品です。
このナスの写真も同じく「画像が鮮明ではありません」との理由でNGでしたが、どの部分が鮮明ではないのか、いまひとつはっきりわからない状態の不採用が、実際にはかなりたくさんあります。
明らかにピントが甘かったり、画像の不鮮明さがあって不採用となる場合もありますが、印象としては「鮮明ではありません」という理由の7~8割くらいは、なぜだろう?という疑問を持つことが多い写真です。
ストックフォトサイト側からすれば、見た目の印象ではなく、何らかのデジタル的な判断が加わっているのかもしれません。
モデルリリースに不備がある
モデルを使ってストックフォトを撮影するなら、かならず必要となるのがモデルリリース(肖像権使用同意書)です。個人を特定できる写真を商用利用しても構わないことを同意してもらう文書です。
ところが、この写真も「モデルリリースに不備がある、あるいは適切なモデルリリースの申請がありません」というコメントがあり、販売NGとなった作品です。
個人を特定できるような人物は写っていませんが、ブログにこの写真を掲載して意見を求めたところ、ビルの外壁にあるポスターに写っているタレントが影響しているのではないかとの意見が出てきました。
しかし、あまりにも不鮮明なポスターなので、なぜモデルリリースの添付を要求されたのか不思議な事例でした。
同じくこの写真も「被写体の人数分のモデルリリースが適切に申請されていない場合には素材の販売を行うことができません。正しいモデルリリースを選択して、再審査申請をお願いします」というコメントがありましたが、遠景で写っている誰だかわからない人全員にモデルリリースを書いてもらうわけにもいかず、再審査申請は断念しました。
90分で学べる、定年後の不安を解消したい方必見!
販売素材として適していない効果・演出
このネギの写真の場合、「フィルター・過度のレタッチ・合成・撮影技法など、素材としての使いやすさを損ねる効果・演出が加えられています」とのコメントがあり販売NGでした。
しかし、この写真には画像修整ソフトによる色彩の修整などは行っておらず、なぜ販売NGとなったのか、いまひとつ釈然としない結果でした。
この青首大根の写真は、同じく野菜を題材にしましたが、不採用とはならず販売されています。
アーチファクトの問題
PIXTAではありませんが、ストックフォトサイトのfotoliaでよく見かける不採用理由に「アーチファクトの問題」というコメントがあります。
この意味が分からなかったので、直接問合せしてみると「“過度な加工”の意味」との回答をいただきました。
ブログにこの話を掲載したところ、やはり意味が分からなかったという方が多かったようで、今回こちらのコラムでも取り上げてみました。
この写真がfotoliaで「アーチファクトの問題」で不採用となった作品です。それほど「過度な加工」はしていないつもりですが、残念ながら販売NGとなりました。
そのほかの販売NG理由
この写真の矢印部分にある微かな影がおわかりになりますでしょか?
たぶんUFOではありません(笑)。
おそらく、レンズに付いた小さなゴミなどが、影になって写りこんでしまったのかもしれません。
この写真を審査申請に出した時のコメントが、「フィルムまたはCCDの傷やホコリなどが確認できます。不要な箇所をレタッチして再度アップロードしてください」というものでした。
【ここがポイント!】
「画像が鮮明ではありません」という不採用理由を一度も受け取ったことがないストックフォトクリエイターはいないと思います。
しかし、画像のブレはないか、ピントの甘さはないか、ホワイトバランスに問題はないか、と常に意識することは大切です。
個人が特定できる人物が写っていれば、必ずモデルリリース(肖像権使用同意書)が必要となることも忘れないでください。
また、画像修整ソフトによる過度の補正は、販売NGのきっかけになることも覚えておく必要があります。
そして、単純にレンズにゴミが付いているような写真は、審査申請前に気づいて画像修整ソフトによるレタッチで修整する必要があります。
これは私自身気付かないまま、審査に出してしまった前科から、自戒の意味を込めた“ここがポイント!”です。