駐車場料金がどんどん上がっているのは、サブリース契約のせい?

2019年5月17日

不動産活用といえば、30年一括借り上げなどのサブリースを利用した賃貸アパートやマンションが主流でした。
賃貸マンション・アパートのサブリース契約については、様々なトラブルが多く目に付くようになったせいでしょうか? 最近は不人気のようです。かわりに、不動産活用としての駐車場経営が注目を集めているようです。今回のテーマはこの「駐車場経営」。
駐車場経営拡大の理由についてお伝えします。

駐車場の料金が上がった理由は?

最近、私の職場の周りではコインパーキングの料金が頻々と値上がっています。
私の職場は政令指定都市の駅から徒歩5分の場所にありますが、隣接地に5階建ての駐車場がオープンしました。
オープン当初は12時間600円でしたが、その後800円、1,000円と上がっていきました。
現在では、12時間で1,600円に。なんとオープンから2年で3倍近い値上げになりました。
その動向につられてでしょうか?
まわりの駐車場も少しずつ値上げをしています。
駐車場値上げの理由、そのひとつに駐車場のサブリース契約が拡がっていることが考えられます。
「サブリース契約」はいままでは、主にマンションやアパート経営に使われた契約です。
テレビCMなどでも「一括借り上げ35年家賃保証」という宣伝を見たことがありますよね?
簡単にサブリース契約の説明をすると、土地を所有している地主さんなどを建築会社が勧誘してアパートを建てます。
建てた後は、入居者がいるいないに関わらず、その建築会社が運営する管理会社から毎月所定の家賃が入り、入居者対応もすべて行ってくれるという契約です。
しかし、入居者が集まらない場合は一方的に管理会社からサブリース契約を打ち切ることができるのをご存じでしょうか?
建てた地主さんは、35年ローンが残りまた新たな管理会社を探すか、自主管理するしかなくなります。
家賃の値下がりをうけ破綻する地主さんもいるのが現実です。
このサブリース契約を利用した不動産活用が新たに駐車場をターゲットにしています。
サブリース契約では、駐車場の管理やトラブル対応などもする代わりに管理費用も発生するため、駐車料金にこのサブリース契約管理費が加算されて駐車料金の値上がりにつながっているのです。

なぜ、駐車場が注目されてきたのか?

アパート経営のサブリースが駐車場経営に転換している理由はとしては「かぼちゃの馬車」問題などが大きく報道されて以降、サブリース契約数が頭打ちになっています。
しかし、抱えている不動産に悩む地主も多くいるのも現実でしょう。このような地主は高額な固定資産税に悩みなんとか、収入を得たいというのが本音なのです。
そこで注目を得ているのが、この駐車場経営。
駅に近い場所なら小規模でも、駐車場に転換することは可能ですし、アパート経営のように1棟7室で8,000万円などという高額な資金投入も必要ありません。
そこで、多少でも資金を生み出す駐車場経営拡大の理由があるようです。

駐車場経営は大都市ほど大変になる

少ない投資で資金を生み出す駐車場経営ですが、良いことばかりではありません。
地方では車が多くまだ駐車場を必要としていますが、大都市では車の保有台数が減っているにもかかわらず駐車場数が増えています。

参照:国土交通省「駐車施策の最近の動向」
国土交通省のデータをみておわかりのとおり、駐車場数が過去8年間の間に激増しています。
その反面、車の保有台数が減少しています。今後大都市では経営が困難になる駐車場が増えてくるはずです。
しかも、アパートのように小規模住宅の減税対象にもならないので、固定資産税は高額のままでは収入を得ることがむずかしいでしょう。
サブリース契約全体に言えることですが、長期契約を見込んだ収支契約が一方的に解除されてはローン返済や税金対策にも支障がでます。
筆者も以前このサブリース契約の大手アパートメーカーからのおすすめがあり、取引している銀行に相談すると「あなたにメリットがない」と一蹴されました。
金融のプロはいろんな案件を見ています。
「本当に利益がでるのか?」と一人で悩まず、長年取引している銀行や税理士や契約関係を相談できる司法書士、弁護士に相談してみましょう。
3つのお金の増やし方とは

この記事のライター

宮田よし恵

アパート経営10年の実績を活かし、不動産投資・起業・銀行など主にお金と投資について執筆多数。今後は、母を介護をしている経験からシニアと住宅・お金の問題に対しても発信していきたいです。

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