世の中には無料で行われるマネーセミナーがたくさんあります。みなさんは「なぜ無料なのか?」「何か裏があるんじゃないのか?」と思ったことはないでしょうか?もっとも、セミナーを開催する側もビジネスですから、何らかの目論見を持っているもの当然です。このコラムでは、WEBサイトや新聞広告では説明されない無料マネーセミナーの3つカラクリについて解説していきます。
Contents
1.【金融機関】口座開設や投資商品等、自社商品やサービスの販売
1つ目は、証券会社・商品先物会社・銀行などが自社の口座や商品を販売することを目的に、その前振りとして無料セミナーを開くパターンです。その際のテーマは、自社アナリストや外部の経済評論家などから経済状況や株式市場の見通しなどを解説するのが一般的です。
また、最近は投資物件を扱う不動産会社がマネーセミナーを行うケースも多くありますが、扱う商品が違うだけで本質的な部分は上記と同じです(不動産会社が行うセミナーは自社の業種を明かさないで、参加者募集を行う場合があるので注意が必要です)。
このパターンは、その人に合った商品というよりも、自社商品のセールスになりますので、セミナーに参加した際は、「本当に自分に必要な商品なのか?」という点について頭を冷やして考える必要があります。決してその場の雰囲気でサインして帰ってはいけません。
2.【マネースクール会社】有料のスクール、セミナーの受講
2つ目は、マネースクールが無料の体験会等を通じて、資産運用の必要性とともに自社の有料講座や情報を案内するパターンです。これらの会社では、具体的な投資商品の勧誘を行わないのが一般的です。理由は提供する授業や情報自身が商品だからです。
「株式」「不動産」「為替」などその分野の知識をしっかり得たい人にとっては、無料セミナー(体験会)で自分に合うかどうかを確かめて、有料講座に申し込むかどうか判断できるので良い仕組みだと思います。ファイナンシャルアカデミーはこのパターンに当たります。
ただ一部の会社には、「当社独自手法で勝率9割で上がる株を伝授」「極秘入手!2019年急騰候補株を無料で教えます」などと、本人が努力しなくても儲かるような煽り文句で、無料セミナーを開催し、有料セミナーや有料情報を申し込ませる悪徳な会社もあるので注意が必要です。「確実に儲かる」「当社だけは知っている」などの言葉があれば大ウソですので気をつけてください。
3.【FP会社や保険代理店】証券、保険商品の代理店手数料(コミッション)
3つ目は、FP(ファイナンシャルプランイング)会社などが、お金の基本的な知識などを無料セミナーで提供して希望者に個別相談を案内し、ライフプランを達成するために必要な投資信託や保険などを紹介するパターンです。見返りは紹介した商品を提供している会社からもらえる手数料・仲介料(コミッション)になります。
ライフプラン表をきっちり作って、その時々に世の中から最適な商品を選択して紹介している前提なら素晴らしいと思いますが、見極めないといけない点がいくつかあります。
それは、
・その人のライフプランを口頭でさっと聞いただけで商品の紹介をしていないか?
・仲介料の高い保険商品などに提案内容が偏っていないか?
FPも良い方が大多数ですが、中には他に良い商品があっても仲介料の高い商品を紹介する人もいます。このパターンで個別相談する場合は、別のFPにセカンドオピニオンを取ることをオススメします。
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※最近では、1~3のセミナーを行いたい会社と、セミナーを受けたい個人をマッチングさせる「セミナー運営代行会社」もあります。この場合運営代行手数料(プラットフォーム利用料)が見返りになります。
以上、マネーセミナーが無料で行われる3つのカラクリについて解説しました。カラクリを理解すれば、過剰に不安になる必要はありません。目的を持って参加し、自分に合うと納得できれば、その先の有料のサービス等に進んでください。逆に内容が「求めるものと違う」場合は、知識を得たことに感謝しつつ、そのまま帰途に着くことをオススメします。