ひとり親の強いミカタ「ひとり親家庭医療費助成制度」とは?

2019年8月18日更新

「ひとり親世帯」とは、未婚、離別・死別などの理由から、母または父のいずれかと、その子ども(児童) からなる家庭のことをいいます。
近年は、増加傾向にあり、とくに母子世帯数は、昭和58年から平成23年の30年間で1.7倍(父子世帯数は1.3倍)に増え、厚生労働省の調査によると、平成28年度の母子世帯は123.2万世帯、父子世帯は18.7万世帯にものぼります。
ひとり親世帯は、頼ったり、相談したりするパートナーが不在である以上に、経済的に厳しいケースも多く、平均年間収入が420万円の父子家庭に比べて、母子家庭は243万円と6割にも満たない状況です(*出所:厚生労働省「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」)。
そんなひとり親家庭には、さまざまな福祉・助成制度が設けられていますが、親や子どもの病気に備えて知っておきたいのが、「ひとり親家庭医療費助成制度」です。

「ひとり親家庭医療費助成制度」とは?

この制度は、県や市区町村など、各自治体が実施するもので、それぞれ細かな要件は異なります。
おもに共通しているのは、子を監護するひとり親家庭の母または父、両親がいない子などの養育者、ひとり親家庭の子または養育者に養育されている子で18歳到達後の最初の年度末までの子(一定の障害がある場合は20歳)を対象に、公的医療保険の自己負担分から一部負担金を控除した額を助成するという点です。
所得制限など一定の条件はありますが、現在、婚姻していない、ひとり親の方であれば適用になり、婚姻には、法律婚だけでなく、事実婚も含まれます。
ただし、生活保護を受けている方や施設等に措置により入所している方は、対象外です。

「ひとり親家庭医療費助成制度」の対象となる医療費は?

気になる対象となる医療費は、公的医療保険が適用される入院や通院に係る費用(治療・薬剤費等)の一部負担金(自己負担分)です。
だいたい、何らかの病気にかかって、受診した場合は、対象になると考えて良いでしょう。
一方、対象とならないのは、健康診断にかかる費用、予防接種(インフルエンザ予防接種等)、薬の容器代、差額ベッド代、文書料・診断書料、紹介状を持たずに受診した200床以上の病院の初診料などです。
適用を受けるためには、まず、自治体に申請手続きを行います。
認められると「ひとり親家庭医療証」(名称は自治体で異なる)が交付されますので、それを病院の窓口で保険証などと一緒に提示すれば、一定の自己負担分(千葉県船橋市の場合、入院 1日につき200円、通院 1回につき200円、保険調剤 1回につき200円)を支払えば、それ以上お金はかかりません。
これが「現物給付」と言われるもので、受給資格者負担金は、自治体によって異なります。

「償還払い」って何?

それに対して、診療後に申請書を提示することで、医療費が戻ってくる自治体もあります。これが「償還払い」と言われるものです。
つまり、受診後に、医療機関窓口でいったん医療費を支払い、後日、自治体への申請により医療費を支給することをいいます。
前述の「現物給付」を実施しているところでも、例えば、住所地と異なる県外の病院に通ったり、医療証を忘れてしまったり。自治体によっては、一定額以上のものは、償還払いの手続きが必要だとしている場合もあります。

「ひとり親家庭医療費助成制度」と健康保険の「高額療養費」との関係は?

この制度について、たまにご質問を受けるのは、この助成制度の対象になっている方が、入院などで医療費が高額になった場合、自治体から、「高額療養費の手続きが必要」などといった書類が届くケースです。
高額療養費とは、一ヵ月にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が、還付されるという健康保険や国民健康保険の制度です。
順番としては、高額療養費が先で、これを差し引いた分が、自治体から助成されることになっています。
したがって、高額療養費の適用を受ける場合、勤務先や自治体で高額療養費等の請求手続きをするなどが必要だということは覚えておきましょう。
ちなみに、この助成制度を利用した医療費については、所得税法、地方税法による医療費控除の対象とすることはできません。
すでに、優遇されているから、というわけですね。
いずれにせよ、詳細は自治体の担当窓口に確認し、利用できるものはフルに使えるよう相談してみてください。
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この記事のライター

黒田尚子

ファイナンシャル・プランナー/消費生活専門相談員資格/乳がん体験者コーディネーター。1998年FPとして独立。2009年末に乳がん告知を受け、「がんとお金の本」(Bkc)を上梓。自らの体験から、がんなど病気に対するおカネ・ココロ・カラダの備えの重要性を訴える活動を行うほか、老後・介護・消費者問題にも注力している。著書に「50代からのお金のはなし」(プレジデント社)、「がんとわたしノート」(Bkc)、「がんとお金の真実」(セールス手帖社)など多数。黒田尚子FP事務所 http://www.naoko-kuroda.com/

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