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2019年4月1日から有給取得が義務化
2019年4月から施行された働き方改革関連法によって「働き方改革」というキーワードを見かける機会も増えたのではないでしょうか?
一億総活躍社会を掲げ労働環境の改善を目的とする改革の1つとして有給取得の義務化も実施されます。内容は、年10日以上の有給休暇が付与される労働者に対して、1年以内に5日取得させること。
事業主、労働者問わず日本で働く全ての方に関係していますので、知識を深めていきましょう。
有給取得者の実際の割合は
世界と比較したときの日本の有給取得率は?
有給取得が義務化された背景として、日本の有給取得率の低さがあげられます。
日本の有給休暇取得率は63%。なんと世界11地域の中で最下位となっているのです。
以下の表のように、有給取得率が90%以上という国も多い中で日本は63%という低い数字になってしまっているのです。
本来、労働者に休暇を与えてリフレッシュして貰うためにある有給休暇の目的が果たせていないと言えるでしょう。
日本の有給取得率が低い背景は?
「人手不足」、「緊急時に取っておくため」、「仕事をカバーしてくれる同僚に罪悪感がある」という理由が大半を占めます。
日本人ならではの真面目な性格や職場の空気を大事にしたいという気持ちがあるからこその結果とも言えるのですが、働き方改革によって有給休暇の取得についてもメスが入ることとなりました。
買取金額の相場は?
有給の買取は違法?
結論から言うと、有給休暇の買取は原則違法とされています。
ただし「法廷法定有給休暇を超えた分の有給」、「時効が消滅している有給」、「退職時に残っている有給」という以下の3つの場合に限って買取が可能な場合があります。
・法定有給休暇を超えた分の有給
会社によっては、就業規則によって法律で決められている有給を超える日数分を付与していることがあります。その超過分は会社独自で買取りが可能です。
・時効が消滅している有給
付与から2年が経過した有給については随時時効となり消滅します。ただし、その有給については買取が違法とならないため、買取が可能となります。
・退職時に残っている有給
退職時に消化していない有給がある場合、特別に有給の買取が認められています。ただし、これも会社の裁量によるものになるので、買取が強制されるものではありません。
買取してもらえる場合の相場とは?
有給買取となった場合、気になるのはその金額ですよね?
結論から言うと、有給の買取価格の相場は存在しません。
その会社の裁量によって決定するものとなりますが、一般的に以下の2つの計算式で出される場合が多いです。
・月給を勤務日数で割った金額 × 残りの有給日数
・正社員、契約社員、パートなど雇用形態で一律金額 × 残りの有給日数
残りの有給日数を基準に、月給の1日の平均賃金で出すパターン。もしくは、雇用形態によって一律3,000円、5,000円、10,000円などで出すパターンが存在します。
有給の買取は法律で強制されているものではなく、会社の裁量によって決まりますので、事前に就業規則をチェックしておくことは重要なことです。
まとめ
有給取得の義務化について紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
日本の有給取得率の低さが問題となっており、2019年4月から施行された働き方改革関連法によって労働者の労働条件が有利になるよう施策の1つとして組み込まれました。
また、有給の買取については原則違法ですが、「法定有給休暇を超えた分の有給」、「時効が消滅している有給」、「退職時に残っている有給」という3つの場合に限って可能です。
有給が可能かどうか、またその買取金額については勤めている会社のルールにより決まりますので、会社の就業規則がどうなっているか事前に確認しておくと良いでしょう。