キャッシュレス化で電子マネーを日常的に利用する人は多いと思いますが、クレジットカードと比べて、補償の面で弱いのが電子マネーです。現金をなくしたら補償されることはありませんよね。電子マネーの位置づけとしては、クレジットカードと現金の中間に位置します。そこで損害を出さないための対処法を知っておくことがとても大事です。
電子マネーは補償される?
クレジットカードを紛失した場合、カード会社に連絡をすれば、カードの利用が停止され、すでに不正利用されていたとしても、届出日より60日前までさかのぼって、カード会社が補償をしてくれます。
プリペイド型電子マネーの場合は、発行時に個人情報を登録している記名式のカードの場合、カード会社に連絡をすれば、利用停止にすることができます。そして利用停止措置が完了した時点で残っている残高やポイントが補償されます。(※)つまり、利用停止前に使われた分は補償されません。
また、各カード会社によって停止される時期に違いがあり、即時に停止される場合と、翌日の営業時間まで待たなくてはならない場合などがあり、こうしたタイムラグによって損失が膨らむ可能性もあります。
無記名式の電子マネーは現金と同じです。なくしたらそれまで、補償はありません。
※楽天Edyには、紛失や盗難にあった場合の補償はありません。
オートチャージ機能付きだったら?
プリペイド型電子マネーにはクレジットカード一体型など、オートチャージ機能付きのものが多くあります。
オートチャージとは、一定額を下回った際に、あらかじめ設定された金額が自動的に入金される仕組みです。支払いはクレジットカード決済によって、後日銀行口座から引き落とされたり、銀行口座から直接入金できるサービスもあります。
非常に便利な反面、不正利用された際に損害が大きくなってしまうという怖さがあります。
実際に、スマホを紛失し、そこに登録してあった電子マネーのアプリによって、290万円不正利用された例があります。(※)これはオートチャージ機能が悪用されたケースです。
すぐに連絡をして、利用停止措置をとれば、オートチャージも利用できなくなるので問題はないのですが、連絡が遅れて、その間にオートチャージされてしまった場合は、補償されません。こうした被害を防ぐには、一刻も早く連絡をするのはもちろんのこと、
・チャージ可能な金額の設定を低くする
・モバイルで利用する場合はロックをかけておく
などの対処をしておきましょう。
今すぐやっておくべき対処法は?!
電子マネーを紛失した時、何よりも怖いのが、紛失に気付かなかったケースです。前述したとおり、クレジットカードと違って、過去にさかのぼっての補償はなく、連絡した時点の残高(とポイント)しか補償されません。そのため連絡しないままでいると、オートチャージ機能付きの電子マネーの場合、何度もチャージされてしまう怖さがあります。
そこで日頃から、どんなカードをいくつ持っているかを把握しておく必要があります。
お財布に複数のクレジットカードや電子マネーを入れているのなら、それらをメモしておきましょう。万が一、財布を紛失した、あるいは盗まれた時に、どんなカードが入っていたのかが分からないとカード会社に連絡しようがないからです。
スマホのアプリで電子マネー機能を利用している場合は、スマホ本体にロックをかける、パスワードを設定するなどして、不正利用をされない工夫をしましょう。
そして、紛失の際は、携帯電話会社に連絡してサービスを停止してもらうのと同時に、登録しているクレジットカード会社、電子マネーの会社にも連絡を入れましょう。そのためにも、どのサービスに何を登録しているのかをしっかりと把握しておきましょう。
キャッシュレス化によって世の中が便利になっている一方で、安全面での不安は残ります。しかし、万が一の時に適切に対処できれば、現金よりも安全と言えるかもしれません。そのためにも所有しているカードの把握やセキュリティ対策をしっかりとしておきましょう。