脅迫概念に近い「お金使えない症候群」に注意 ~過ぎたるは及ばざるがごとし~

2018年11月20日

お金を使う、使わないに関して一般的に心配されるのは、お金の使い過ぎの問題。お金を使い過ぎずに貯められる人は、しっかりした人という、よいイメージを持たれます。
しかし、お金を使わないタイプの人の中にも、やりすぎの状態である「お金使えない症候群」と呼ばれる症状に悩まされる人がいます。お金は貯められるのに幸せを感じられなくなってしまう、節約好きという言葉では片づけられない人の問題についてご紹介します。

使ったほうがいいとわかっているときでさえ

お金を貯められる人に問題があるとはどういうことでしょうか。お金をなかなか貯められない人にしてみれば意味がわからない、何事かと感じられることかもしれません。
しかし、本人、あるいは周囲の人の悩みとなってしまうほどお金を使えない困った症状を持つ人はいます。そして、その困った症状について、「お金使えない症候群」とわかりやすく名づけた人もいるようです。
問題となるほどお金を使えない症状に陥った人は、どんな姿をしているでしょうか。症状の進行とともに、お金は持っていそうだけれど幸せに見えない、人も寄りつかないという寂しい姿に行き着く可能性があります。

【お金が使えなくて問題となる人の症状例】

・使ったほうがいいという理屈はわかっているはずなのにお金を使えないときがある
・お金は貯まっているのに、むなしい気持ちが消えない
・節約を楽しめていない
・お金を使うときに罪悪感がつきまとう

強迫症の症状に当てはめて考えてみよう

「お金使えない症候群」という呼び方に軽い響きを感じる人がいるかもしれませんが、強迫症を参考にしてお金を使えない人のリスクを認識してみましょう。

【強迫症の症状例】

・つまらないことだとわかっていても頭から離れない
・わかっていながら同じ確認を繰り返す
・意志に反して頭に浮かび払いのけられない
上記について、お金を使えない人の問題行動に当てはめてみると、つまらないポイントで節約のためとお金を出し渋る、やめたほうがいいとわかっているのに意思に反した節約をやめられないというイメージになります。
一例として、お金がかかるからと友人との交流を断ってしまい、こんな寂しい人生でいいのだろうかと思いながらも節約一番の考え方を変えられない状態が挙げられます。
強迫症に対し、まれなケースというイメージを持つ人は少なくありません。しかし、強迫症の人は50~100人に1人の割合でいると考えられています。治療をすれば治りますが、早めに気づいて軌道修正できるに越したことはありません。
出典:厚生労働省

何のために貯めるのか、何のために使うのか

お金に対する不安やこだわりは誰にあってもおかしくないもの。しかし、それが度を超していると自覚している人や周囲から指摘されている人は、強迫症に近い「お金使えない症候群」にかかっている可能性を疑いましょう。
自分は大丈夫だろうかと思ったときにチェックしておきたいポイントは、お金に対して「しないではいられない」「考えずにいられない」という状態に陥っていないかどうか。柔軟な対応ができているかどうか、ふだんの行動を振り返ってみるとよいでしょう。
お金を貯める行為も、使う行為も自分や家族の幸せが目的のはず。貯金のための行動が自分や家族を苦しめている場合は、考え方の見直しが必要。何事もやりすぎは禁物であり、過ぎたるは及ばざるがごとしです。
今回は症状の重い人にスポットを当ててお金を使えなくなる症状について紹介しましたが、節約行動においてお金を貯めること自体が目的になってしまうリスクは誰にでもあります。何のために貯めるのか、何のために使うのか、自分や周囲の人の幸せを考えながら判断する姿勢を大事にしましょう。

この記事のライター

MASAMI

AFP・2級ファイナンシャル・プランニング技能士、個人情報保護士。
年金や教育費など生活に密着したお金の話をわかりやすく伝えるライターとして活動中です。

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