プラスチックゴミによる海洋汚染が世界中で深刻化している現在、EU諸国では既にさまざまな取り組みが実施されており、フランスでは数年前からレジ袋の配布は全土で禁止されています。環境問題の対策に遅れをとっている日本も、国際社会の厳しい目の中、やっと重い腰を上げスーパー・コンビニなどの小売業を対象に2020年度以降のレジ袋有料化の義務付けを目指す素案が提示されました。
レジ袋有料化によって消費者の行動はどう変化するのでしょうか。
また経済的な影響はあるのでしょうか。
主婦はレジ袋有料でも商品が安ければ問題ない
既に一部のスーパーではレジ袋が有料化されていて、主婦の場合は柔軟な対応ができているようです。レジ袋が有料なスーパーでの買い物にはエコバックを持って行き、無料の店舗ではレジ袋をもらっている人が多く見られます。
主婦はレジ袋が有料か無料かで店舗を選ぶということは少なく、安くて新鮮なものを買えるスーパーを選びます。しかしながら、レジ袋が無料ならばもらいたいのが本音。何故ならゴミを出すときに非常に便利だからです。生ゴミなどは、自治体から指定されているゴミ袋に直接入れると、水分が袋に溜まり汚く見えるし、もし袋に穴が開けば生ゴミの水分で床や道路を汚してしまうばかりでなく臭いも残ります。
そのため、生ゴミはまず丈夫なレジ袋に入れてから、指定のゴミ袋で出します。便利なレジ袋が全て有料化されたら、生ゴミを入れるためのポリ袋を新たに購入しなければならなくなるため、少し出費が増えるかなとは思います。
レジ袋の原価は1円~4円程度だそうですが、大手スーパーの場合、レジ袋にかかる経費は年間数億円にもなるそうです。有料化になれば経費削減できることになります。その利益は一般客への還元(商品を安くするとか)はあるのでしょうか?主婦にとってはそこが最も気になるところです。
コンビニの利用者は有料でも気にしない人が多い?
コンビニの利用者は主婦の感覚とかなり違ってくるでしょう。コンビニはもともと定価販売です。レジ袋が有料化になれば、客足の減少を懸念する声もありますが、はたしてそうでしょうか?コンビニ利用客は、利便性が第一。値段の安い高いで利用している人はあまりいません。レジ袋が有料化になっても数円のことならあまり気にしないという人が多いのではないでしょうか。実はこういう何事にもあまり気にしないタイプの人が不要になったレジ袋をポイ捨てしてしまうことが多く、環境汚染につながってしまいます。
本当に環境のことを考えるのなら、同じ有料化するにしても、環境に配慮したバイオマス系レジ袋を用意して欲しいと切に願います。
経済的な影響は限定的?
既にセブンイレブンではレジ袋の有料化を検討する方針が明らかにされています。セブンイレブンが有料化になったら、他のコンビニチェーンも追随すると予想されるため、客足減少の可能性も限定的ではないでしょうか。
しかしながら、コンビニで買い物する人がエコバックを持っていくとも思えず、お金を払ってレジ袋を購入する人が多くなるでしょう。
コンビニの場合、本部がFC加盟店にレジ袋を販売しており、本部の収益源になっているようですが、有料化されることで加盟店の負担は減少します。苦しい経営を余儀なくされている加盟店にとっては悪いことばかりではないと思うのですが…。
レジ袋が禁止されている国はフランスだけでなく中国やインドも禁止されています。また、有料の国でもポルトガルのレジ袋は日本円にして14円、ドイツでは大きさによって13円~30円程度。オランダでは何と34円だそうです。
これによってEU諸国はレジ袋削減にかなり成功しているそうです。さて、日本は環境後進国と揶揄されているようですが、今後環境先進国に追いつくことはあるのでしょうか。魚介類の大好きな日本人が安心して食することができる日が来ることを、心から願わずにいられない今日この頃です。