親の責任は何歳まで?! お金の教育はできるだけ早いうちに

2018年12月21日更新

1月14日は成人の日ですね。成人される方々、お子様が成人されるという方々、おめでとうございます。
数字的な区切りの良さや、成年への扉を開くこともあって、20歳という年齢は日本人である私たちとっては特別な年齢ですね。大人になった喜びを感じたり、我が子が成人して親の役目を果たしたとしみじみ感じるものでしょう。その一方で、日付をまたぎ、19歳から20歳へと変わるだけで大人としての社会的責任がかかるようになることをしっかり受け止めておられる方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。成人した我が子がいきなり途方にくれる……ということがないように、親としての務めを今一度確認してみましょう。

成年に達すると何がどう変わる?

20歳になって何ができるかと質問すると「お酒を飲める」「タバコを吸える」というような、これまでの禁止ゴトの解禁を思い浮かべる人が多いかもしれません。
もちろんそれもそのとおり。ただ、民法が定めている成年年齢というのは次の2つの意味を示しています。
・一人で契約をすることができる年齢
・父母の親権に服さなくなる年齢
つまり、成年に達するということは、親の同意を得なくても、自分の意思でさまざまな契約ができるようになることを意味します。
たとえば、携帯電話の契約、マンションやアパートの賃貸契約、クレジットカードやローンの申込みといったお金に関わるさまざまな契約ごとがあります。未成年の場合は親の同意が必要ですが、成年に達する途端に親の同意がなくても自分一人でできるようになります。
また、親権に服さなくなるということは、自分の住む場所、進学や就職などの進路なども自分の意思で決定できるようになります。

成人すると親の責任はなくなる?!

もしも未成年者が親の同意を得ずに契約した場合にはどうなるのでしょうか。民法では「未成年者取消権」という権利が定められており、その契約を取り消すことができることになっています。
ところが成年に達すると、そもそも契約事には親の同意は要りませんから、この「未成年者取消権」というのもありません。契約を結ぶかどうかを決めるのも自分自身、その契約に対して責任を負うのも自分自身です。
シンプルに言うと、成人するということは「自立する」ということで、親のお役目は終わったと感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし「自立」と「経済的自立」は別物。社会に出て収入を得ているならいいですが、現実的には多くの場合は20歳の人はまだ学生です。収入がなければ支払い等は親に頼らざるを得ない場合がほとんどで、成人したからといっても経済的な自立ができるとは限りません。

お金のトラブルは親の責任?!

経済的自立ができていない子どもに対する親の負担は、実はローンやクレジットカードのトラブルでよく聞く話です。
たとえば、親元を離れて遠方の大学に入るとします。生活費は親が仕送りをするとしてもお金を使うのは子ども自身。大学生活ではこれまで以上に行動範囲が広がりお金を使う場面も増えるのは致し方ないことですが、親の目がない自由さと、支出に対する利便性からクレジットカードを欲しがる学生は少なくありません。しかし、使い過ぎや金銭感覚の乱れに不安を感じ、良く思わない親もいます。
ところが成人すると親の同意なしでも原則学生カードを申込めますから、その反動で親に言うことなくカードを作る人もいるでしょう。親からの仕送りの範囲内できちんとやりくりできれば問題はありません。でも、万が一、我が子がカードを使い過ぎて支払いができない状態になってしまったとき、あなただったら親として「自己責任だから」と知らぬ顔はできるでしょうか。
あくまで親子の関係にもよりますが、多くの場合はやはり親が債権者(カード会社)に対して責任を取らざるを得ない状況になってしまうのではないでしょうか。

親の責任は金銭教育!できるだけ早いうちから始めたい!

そうした金銭トラブルに遭わないためには、未成年のうちから正しい金銭感覚を身につけ、正しいお金の使い方ができること。契約に関する知識を学び、正しく検討する力を身につけておくことが重要です。親自身が金銭教育の必要性を理解して、成人する前からお金の教育をしておくことが親の責任といえるでしょう。
ちなみに、成年年齢が20歳という時代ももうすぐ終わり。2022年4月1日からは成人年齢が18歳になることが決定されています(※)。つまり、高校生を卒業して大学生になる頃に成人ということになります。高校生と大学生では、使うお金の金額も大差があるのが一般的。まだお小遣い程度のお金しか使ったことがなかった者が成人となり、あらゆる契約事の責任を自分自身で負わなくてはならなくなってしまうということなのです。
そのためにも、親は子どもに対してしっかりと金銭教育をしておくことが大切でしょう。まだ小さなお子さんしかいない家庭でも、まだ早いと思わずに、子どもが小さいうちからお金の教育をしておくことが親の責任といえるのではないでしょうか。
※2022年4月1日時点では、生年月日によって18歳で成人する人、19歳で成人する人がいます。
参考:政府広報オンライン「18歳から“大人”に!成年年齢引き下げで変わること、変わらないこと。」

この記事のライター

續恵美子

ファイナンシャルプランナー(CFP®)
夢や希望を持ちながらも、一歩を踏み出せない――お金の知識を教えることで、そんな女性が一歩踏み出す支援をしたいという想いとともに、ファイナンシャルプランナーとして活動。
プライベートでは南仏移住して10年以上。仕事・家庭・自分の人生を活き活き送る、多くのフランス人女性から学んだことを日々の活動に実践している。

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