住居確保給付金とは?~求職中の家賃支払いに救いの手~

2019年3月26日

なんらかの事情による離職で経済的な困難に見舞われたとき、心細い思いをしたり、落ち込んだりしてしまうのは自然なことです。そして、そんなときこそ行政の支援制度についての知識が重要となります。
しかし、支援制度についての知識がないために利用できたかもしれない支援制度を利用し損なってしまったというケースがあるのも事実。
家賃支払いに困っている求職中の人が知っておきたい住居確保給付金についてご紹介します。

働く意思のある人の自立を支援する制度の一つ

生きていくために最低限必要なものが衣食住といわれています。離職した後でも、衣服であれば離職前に持っていたもので、しばらくの間はしのげます。食費についても1カ月1万円などの節約生活で、なんとかできるでしょう。しかし、住居費は、なかなか減らしづらく、収入が途絶えたときの大きな不安の原因となります。
そんな、離職時の住居費の不安を解消するために知っておきたい制度が、「住居確保給付金」です。2015年に制定された生活困窮者自立支援制度の一つであり、離職が原因で住居を失った人、あるいは失う恐れのある人が家賃相当分を支給してもらえます。「お金に困っている今、家賃分を数カ月助けてもらえたら安心して生活を立て直せるはず」というときに利用しましょう。
なお、住居確保給付金の給付対象者は働く意思のある人です。
Aさん:仕事をやめたが、早く新しい仕事を見つけて生活を安定させたいと思っている
Bさん:仕事をやめたが、しばらく働く意思がない
上記の場合、Aさんは対象となりますが、Bさんは対象外です。住居確保給付金の支給期間は原則3カ月ですが、最長9カ月までの延長も可能です。

住居確保給付金の支給額と支給要件

住居確保給付金では賃貸住宅の家賃額を支給してもらえますが、住宅扶助特別基準額という上限が設定されています。住宅扶助特別基準額は地域や世帯人数ごとに異なり、例えば東京都の1級地単身世帯の場合の住居確保給付金上限額は53,700円、2人世帯の場合で64,000円です。
なお、住居確保給付金を給付してもらうためには、いくつかの条件をクリアしている必要があります。
・離職後2年以内で65歳未満である
・離職前に世帯の生計を主として維持していた
・ハローワークで求職の申込をしている
・国の雇用施策給付(職業訓練受講給付金)を受けていない
さらに世帯収入による収入要件や資産要件があるほか、ハローワークでの月2回以上の職業相談や自治体での月4回以上の面接も受けなければなりません。このとき、失業給付金も収入に含まれる点に注意が必要です。
住居確保給付金の上限額や収入要件、資産要件について、具体的な金額をHPに記載している自治体もあります。HP等で見つからなくても、各自治体に相談窓口があるため問い合わせてみるとよいでしょう。一つの例として、東京都の1級地単身世帯の場合の収入要件は13.8万円、2人世帯で19.4万円、資産要件は単身世帯が50.4万円、2人世帯が78万円となっています。
出典:厚生労働省『住居確保給付金について』
また、住まいのために必要な費用は毎月の家賃だけとは限りません。新規で賃貸住宅の契約をしなければならない状況の場合、敷金・礼金なども必要になります。そのようなときは、社会福祉協議会の「総合支援資金貸付制度」が役立ちます。連帯保証人がいれば無利子で、連帯保証人がいない場合でも年1.5%の低利子で利用できます。
住居確保給付金受給までの生活費に困る場合は、社会福祉協議会の臨時特例つなぎ資金貸付制度を利用してもよいでしょう。連帯保証人なしで、無利子で利用できます。これらは給付ではなく貸付となりますが、必要に応じて地域の社会福祉協議会に問い合わせをしてみてください。
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この記事のライター

MASAMI

AFP・2級ファイナンシャル・プランニング技能士、個人情報保護士。
年金や教育費など生活に密着したお金の話をわかりやすく伝えるライターとして活動中です。

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