最近の医療保険のほとんどは日帰り入院の保障も基本保障に含まれるようになりました。
さらに保障を手厚くするために、特約として入院一時金特約という保障もありますが、はたしてこの入院一時金特約は必要なのか?というお話です。
入院一時金特約どころか日帰り入院保障すら必要とは言い難い
「日帰り入院も保障します!」
今はほとんどの医療保険で基本保障にこの日帰り入院も保障するようになりました。
以前は特約で保障をしていることが多かったのですが、最近の入院日数の減少や手術技術の発展もあり、日帰り入院も多くなりましたので、保険会社もその時流に合わせて保険設計をしてきています。
しかし、そもそも日帰り入院を特約でわざわざ付けること自体、私は必要性がないと当時からアドバイスしていました。
以前の医療保険は「入院5日目から保障」というのがほとんどでした。
それに特約として日帰り入院保障を特約で付けるかどうか悩まれる方が多かったのですが、なぜ私は必要ないとアドバイスしていたのか?
その理由は例えば、日帰り入院保障の付いた医療保険で入院1日1万円という医療保険に加入していたとします。日帰り入院した場合、この1万円を保険会社から受け取るには医師の診断書が必要となります。
その診断書を書いてもらう手数料が8,000円とします。
そして、その診断書を受け取るには入院していた病院に出向く必要があります。 申請したその日に診断書をもらえることはありませんので、数日後にまた受け取りに行かなければなりません。
それには往復の交通費が2回分かかってしまいます。差額の2,000円が交通費2回分で1日分の給付金を受け取ったところで、どれだけ残りますか?ということです。
日帰り入院保障が必要ないことに契約者が気付いた瞬間
2008年、保険会社の不払い問題が大きくニュースになりました。
支払うべき保険金を保険会社の手違いなどにより、加入者に支払われなかったという話です。
詳細な原因は色々ありますが、当時の金融庁が発表した内容では37社中およそ135万件の約973億円が支払われていなかったのです。
参照:金融庁「生命保険会社10社に対する行政処分について(PDF)」
このとき、医療保険に関しては日帰り入院や通院特約の不払いが多かったそうです。
これは保険会社側の問題もありますが、契約者側があえて申請していなかった事例も多かったということです。
なぜなら、契約者が保険会社に給付金を請求したところで割に合わないということに気付き、申請しなかったことが理由です。
実際に日帰り入院したものの、利用価値が無いということに初めて気付いたわけです。
入院一時金特約は必要ない
入院一時金特約とは、主契約の入院給付金が支払われる入院をしたときに給付される特約です。これに似た特約で、短期入院定額保障や初期入院保障特則という保障もあります。
これは1回の入院日数が10日以内の入院保障で、保険会社・商品にもよりますが3〜10万円の一時金が給付されるという保障です。
特約をつければその分、月々の保険料負担は大きくなります。日帰り入院保障が不要であるという観点や、支払い保険料と給付金受給の可能性のバランスを考えると、今から医療保険への加入することを決めている方は、不要な特約を付加することで余分な保険料を支払わないで済むように判断の一つとして参考にしていただければと思います。