病気をお持ちでマイホームを購入予定の方は、「住宅ローンの審査は通るのか?」「団信に加入できるか?」と心配な事でしょう。
2016年に日銀がマイナス金利を導入して以来、住宅ローンも超低金利が続いています。お得にマイホームを手に入れる格好のチャンスですが、団信に加入できなければ銀行系の住宅ローンを組む事はほぼ不可能です。
今回は病気と住宅ローンの関係や、団信の審査が通らない時の対処法について見ていきましょう。
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病気で住宅ローンが組めないって本当?
マイホームの頭金があり定職に就き返済の見込みもあるのに、持病があるから住宅ローンが組めないという事はあるのでしょうか?
銀行系の住宅ローンを組む際は「団信」(団体信用生命保険)にほぼ強制的に加入することになります。団信とは生命保険の一種で、返済を契約した方に万が一のことがあった場合に保険金がおりローンを返済できる保険です。住宅ローンの金利に上乗せして保険料を払う仕組みになっています。
契約者だけではなくローンを融資した銀行などの金融機関を守るためにも、殆どの場合加入が義務付けられています。
こんな疾病がある場合は注意
それでは団信に加入する際に告知しなくてはならないのは、どのような疾病でしょうか?
具体的な告知内容は金融機関や引受保険会社によって違うこともありますが、一般的には以下のような質問形式です。
(1)最近3ヵ月以内に医師の治療(指示・指導を含む)・投薬を受けたことがありますか?
(2)過去3年以内に下記の病気で、手術を受けたことまたは2週間以上にわたり医師の治療(指示・指導を含む)・投薬を受けたことがありますか?
狭心症、心筋梗塞、心臓弁膜症、先天性心臓病、心筋症、高血圧症、不整脈、その他心臓病
脳卒中(脳出血・脳梗塞・くま膜下出血)、脳動脈硬化症、その他脳の病気
精神病、うつ病、神経症、てんかん、自律神経失調症、アルコール依存症、薬物依存症、知的障害、認知症
ぜんそく、慢性気管支炎、肺結核、肺気腫、気管支拡張症
胃潰瘍、十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、すい臓炎、クローン病
肝炎、肝硬変、肝機能障害
腎炎、ネフローゼ、腎不全
緑内障、網膜の病気、角膜の病気
ガン、肉腫、白血病、腫瘍、ポリープ
糖尿病、リウマチ、膠原病、貧血症、紫斑病
子宮筋腫、子宮内膜症、乳腺症、卵巣のう腫
(3)手・足の欠損または機能に障害がありますか?または、背骨(脊柱)・視力・聴力・言語・そしゃく機能に障害がありますか?
上記の質問で「はい」を付けた部分に詳細を記入します。その結果加入できるかどうかは保険会社が判断するので、「当てはまる項目がある=団信に加入できない」というわけではありません。
団信=住宅ローンではない
「団信=住宅ローンということ?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、団信はあくまで住宅ローンを組む際に必要な保険のことです。
後に紹介する「フラット35」は団信に加入しなくても住宅ローンを組むことが出来ますし、「ワイド団信」という持病がある人向けの告知条件を緩やかにした団信もあります。
「持病があるから住宅ローンを組めない」とマイホームを諦めるのはまだ早いです。続いては団信の審査が通らなかった際の対処法をご紹介します。
団信の審査が通らなかったら試そう
団信の審査が通らなかった時はどうすれば良いのでしょうか?
配偶者が住宅ローンを組んで団信に加入する、団信無しでローンを組む等の方法がありますが、「どうしても団信に入りたい」という方は別の団信の審査を受けてみる、持病がある人向けの団信(ワイド団信)に加入を検討してみましょう。
ちなみにワイド団信は金利が通常の団信より高い傾向にあります。
1.いくつかの団信の審査を試す
団信を扱う保険会社によって審査基準が違いますので、他の団信の審査を受けてみましょう。健康状態だけではなく、死亡リスクが高い職業(レーサーや格闘家、一部のスポーツ選手等)は加入を断られることもあります。
2.収入がある配偶者が団信を組む
共働きの場合は配偶者が住宅ローンを組んで団信に加入するのも一つの方法です。ただし年収だけではなく、雇用形態や勤続年数も審査の基準となりますので注意しましょう。
3.団信なしでフラット35を利用
銀行系の住宅ローンは団信加入が必須ですが、住宅金融支援機構という独立行政法人と民間の金融機関が提携し提供している「フラット35」は団信の加入が任意です。
団信に加入しないことでローンの金利が安く済むほか、手数料や保証人が不要などのメリットがあります。
持病がある人向けの団信に入る
「ワイド団信」という通常の団信よりも審査基準が緩い団信を多くの金融機関で取り扱っています。金利が高くなってしまいますが、団信に入りたい方は検討してみましょう。
団信なしで住宅ローンを組んだ人が入るべき保険 生命保険
「フラット35」を利用し、団信に加入せずに住宅ローンを組んだ人が入るべき生命保険をご紹介します。一般的に住宅ローンとは2~30年以上の長い付き合いになりますので、働けなくなった場合や不測の事態が起きた時など返済能力がなくなった時の事も考えておきましょう。
就労不能保険
団信は病気などで働けなくなった際に住宅ローンを代わりに返済してくれる保険ですが、保険会社で販売されている就業不能保険は掛け金に応じて毎月の生活費をカバーしてくれる保険です。生活面でのリスクにも対応できるところがメリットです。
ただ一般的なサラリーマンは病気になった時に「傷病手当金」が一年半支給されますので、ローンを含む月々の収支を把握した上で保険に入るようにしましょう。
死亡保障が手厚い保険
契約者に万が一のことがあった場合、残されたローンの返済に家族が困らないように死亡保障が手厚い保険への加入を検討してみましょう。
まとめ
団信に落ちても住宅ローンを組む事は可能です。病気が原因で審査に落ちたからと言って気落ちせずに、別の団信の審査を受けたりフラット35でローンを組む等、他の方法を探ってみましょう。
今後日本では少子高齢化や人口減少に伴い空き家問題が増えますので、マイホームも手に入れやすくなる可能性が高くなります。念願のマイホームの為に金銭面だけでなく、健康面も留意して毎日を豊かに暮らしましょう。
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