先進医療保険とは、そもそもどんな保険(保障)なのかご存知でしょうか。
最先端の医療を受けるための保険なのかな…とか、漠然としかわからないという方もいらっしゃるかもしれません。
実際のところ本当に必要なの?という疑問もあるでしょう。
今回はそんな疑問にお応えしたいと思います。
先進医療とはまだ保険適用に至っていない治療のこと
先進医療とは簡単に言えば、まだ実験段階の治療法であり、国民健康保険や健康保険の適用対象になっていない医療技術だということです。
先進医療の中でいずれは保険適用の治療になるものもあれば、効果が無いということで先進医療から外される治療もあります。
名称としては「先進医療」と言いますので夢の治療法かと思いがちですが、安全性や有効性、そして技術的な成熟度が確認されれば保険適用を認められる…そこまでに至っていない治療法だということです。
反対に今現在、保険適用の治療は実際に効果があると認められている治療法ということです。
保険適用の標準治療では最新のいい治療を受けられないと思い込んでいる方がいたりしますが、そういうわけではないのです。
先進医療保険の保障は認可された医療機関での治療のみ
先進医療の治療や手術においては、厚生労働大臣が認可した特定の医療機関や病院などでしか受けられないようになっています。
例えば、ガンの陽子線治療は厚生労働大臣が認可した全国17の医療機関でしかやっていないので、どこの医療機関でも受けられるというものではありません。
たとえ先進医療と全く同じ技術でも、この厚生労働大臣が認めた医療機関以外で受けた先進医療は先進医療を受けたとは保険会社から認めてもらえません。
このことから、先進医療保険に加入している場合は、この厚生労働大臣が認可した医療機関で治療を受けなければ先進医療保険の給付は受けられません。
また、患者がある先進医療を受けたいと希望したとしても、医師がその治療や手術が最も効果的と判断しなければ受けられないという面もあり、先進医療を受ける可能性はかなり低いと言ってもよいでしょう。
まだ研究段階の治療ですので、高額な費用をかけても効果の保障はありません。
ガンの先進医療費用と治療を受けられる医療機関は?
先進医療保険(保障)をガン保険や医療保険に付加するかお悩みの方は、特にガンの先進医療費が高額であるということで、特約として付加するかどうかお考えの方が多いと思います。
重粒子線治療で約313万円。陽子線治療で約272 万円です。
先進医療保障を特約として付加した場合、各保険会社によって多少の違いはありますが、月額100〜200円程度です。
年間では1,000〜2,000円程度。
先進医療を受けられる可能性・確率が低いから、保険料もこれだけ安いのかもしれません。
考え方としては2つあると思います。
確率論で言えば、受ける確率が限りなく小さく、効果があるかどうかの保障もないのでわざわざ特約として付加する必要はないという選択肢が1つ。
保険料が安いので、それこそ万が一の時のために加入しておくという選択肢が1つあると思います。
私はこの選択は個人個人の人生観というか死生観で決められたらよいかと思います。
特約として付加する・しない、どちらが正しいとか間違いとかはないと考えています。
ただ、私の見解では「医療保険自体いらない」と思っていますので、特に必要ないのでは…とは思っています。
令和 2年1月1日現在の先進医療でガンの治療である陽子線治療が受けられる医療機関は全国で17件のみ。
重粒子線治療が受けられる医療機関は全国で6件のみです。
驚くことに東京には1件もありません。
お住まいの地域に無ければ、その治療ができる医療機関まで出向かわなくてはいけないことも頭の隅に入れておきましょう。
もし医療保険に特約として付加する場合は、加入時の注意点として、加入時点に先進医療として認可されている先進医療をカバーするのか、それとも将来先進医療を受ける時に先進医療として認められている技術に対して給付金が支払われるのかということをしっかり確認しておくとよいでしょう。
なぜなら先述したように、先進医療として認められている医療技術は、効果がないという判断で先進医療から外される技術や治療もあれば、新しく先進医療として認められるものもあるので、将来に向けて内容が変わることがあるからです。
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