平均入院日数は平成時代に3週間も短縮している!

2019年1月14日

病気やケガで入院することになったら、完全に治るだろうか?とか、入院中に家族や仕事は大丈夫だろうか?または治療費はいくらかかるのか?等、誰でもいろいろな事が心配になるかと思います。
心配になるのはわからないことが多いからで、知っていれば安心できることもあります。
そこで今回は厚生労働省の調査から、平均入院日数の現状と推移を確認してみました。

平均在院日数は28.2日で前年比0.3日短縮

厚生労働省の病院報告では、医療機関の施設数や従事者数等と合わせて患者数も調査しています。
その最新結果が12月末に発表されたので、1990年(平成2年)から2017年(平成29年)までの平均在院日数をグラフにし、平成時代の変化を確認してみました。
同じく厚生労働省の患者調査でも平均在院日数を3年に1度調査していますが、患者調査は患者を対象にしています。
平均在院日数は、「年間在院患者延数/(年間新入院患者数+年間退院患者数)×2分の1」で求めています。療養病床や介護療養病床については、同じ医療機関内での移動による患者数も考慮して計算しています。

資料:厚生労働省病院報告(平成9年~29年)
※1991年を除く
2017年の病院の平均在院日数は28.2日で、前年に比べて0.3日短くなっています。
短縮日数は僅かですが、グラフにある1990年から2017年まで(1991年は不明のため除く)の全てで前年より短くなっています。
1990年は平均50.5日もありましたが、9年後の1999年には40日を切って39.8日となり、更に15年後の2014年には30日を切って29.9日になりました。
その後も3年間で更に1.6日短縮しているので、今後もしばらくは短くなっていきそうです。
少子高齢化によって平均入院日数の長い高齢の患者が増えているはずですが、それでも平均在院日数が短くなっているのは、医療財政を崩壊させないための強い政策が功を奏していると考えられます。
入院日数が短くなったことで在宅での療養が増えているようですが、住み慣れた自宅等に早く帰れるのは、看病する人は大変ですが患者本人にとって良いことではないでしょうか。

一般病床の入院日数は平均で16日しかない

2017年の平均在院(入院)日数を少し細かく病床別に確認してみました。一般病床は、精神病床・感染症病床・結核病床と療養病床以外の病床のことをいいます。
病床・病院の種類別平均在院日数(単位:日)

資料:厚生労働省平成29年病院報告
平均在院日数は総数では28.2日ですが、一般病床に限れば僅か16.2日となっています。
在院日数が長いのは精神病床の精神科病院(301.8日)と介護療養病床(308.9日)で、前年に比べて精神病床で2.2日、介護療養病床6.0日も短くなっていますが、まだまだ長期入院が必要となっています。
一般病床の平均在院日数は前年と変わりませんが、1990年には38.4日もあったので、そこからは27年間で22.2日も短縮し、半分以下になっています。

入院(在院)日数の平均を知ることで、本人や家族の心の準備がしやすくなります。
仕事をしている人であれば業務への影響も抑えやすくなります。また入院費や加入している保険から受け取れる給付金等もイメージしやすくなります。
ただ、ここで取り上げた入院日数はあくまで平均値であり、現実は当然個人差があります。
入院の原因となった傷病による違いや患者の年齢・性別による違い、医療機関による違い等で日数はかなり変わってきます。
入院日数に関する情報をより詳しく知りたい人は、厚生労働省の患者調査等も確認すると良いでしょう。
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この記事のライター

松浦 建二

CFP®認定者・1級ファイナンシャル・プランニング技能士。青山学院大学卒、大手住宅メーカーで戸建てやアパートの営業を経験後、外資系生命保険会社へ転職し生命保険と投資信託の営業を経験。2002年からファイナンシャルプランナーとして主に個人のライフプラン、生命保険設計、住宅購入総合サポート等の相談業務を行っている他、FPに関する執筆や講演も多数おこなっている。青山学院大学非常勤講師。http://www.ifp.cc/

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