公的年金だけでは足りない部分は何でカバーしますか? そう質問されると「できるだけ長く働く予定です」と答える方も多いと思います。しかし、時代の変化とともに求められる仕事やスキルはどんどん変わっていきます。できるだけ長く働くためにはスキルアップが欠かせません。とはいっても、スキルアップをするためにはお金がかかってしまいますよね。そこで今回は、国(ハローワーク)から費用の一部を援助してもらってお得にスキルアップができる「教育訓練給付金」のご紹介をしようと思います。
教育訓練給付金の対象となる資格や講座にはどんなものがあるの?
教育訓練給付金には、職業能力をアップしようとする人を応援する一般教育訓練給付金と、より高度な資格取得を目指す人を応援する専門実践教育訓練給付金の2種類があります。
いずれも厚生労働大臣の指定する教育訓練を受講し修了することで、本人自らが教育訓練施設に支払った費用の一部をハローワークから給付金としてもらうことができます。
対象となる資格や講座は、例えば以下のようなものがあります。
上記の他にも対象となる資格や講座があります。
インターネットから自分の興味がありそうなものを探し出すことができます。
参考:『厚生労働大臣教育訓練講座検索システム』
教育訓練給付金はどんな人がもらえるの?
教育訓練給付金は誰でももらえるものではありません。雇用保険に加入している人、または加入していた人が以下の条件を満たす必要があります。
(※1)雇用保険の被保険者資格を喪失した日以降1年間のうちに、妊娠、出産、
育児、疾病、負傷等で引き続き30日以上受講が開始できない日がある場合、
ハローワークで手続きをすることでその受講できない日数分延長可能(最大19年)
支給要件期間は、雇用保険に加入していた期間のことをいいます。転職などで雇用保険の加入期間に空白がある場合、空白期間が1年以内であればその前後の雇用保険の加入期間は通算することができます。なお、教育訓練給付金は支給要件期間などの条件を満たせば何度でも利用することができるとてもお得な制度になっています。ただし、2回目以降に教育訓練給付金を受けようとする場合、支給要件期間のカウント方法にはちょっと注意が必要です。なぜなら、受講開始日より前の受給要件期間はリセットされてしまうからです。
つまり、2回目以降は前回の受講開始日以降、支給要件期間が3年以上ないと新たに教育訓練給付金の利用はできないということです。自分が教育訓練給付金を利用する権利があるかどうかわからない場合、住所地のハローワークに来所するか郵送による手続きで調べてもらうことができます。
教育訓練給付金はいくらもらえるの?
教育訓練給付金は一体いくらもらえるのでしょうか? まずは一般教育訓練給付金からみてみましょう。
次に専門実践教育訓練給付金をみてみましょう。
(※2)在職者の場合、受講開始日前に勤務先の事業主が専門実践教育訓練を受講する
ことを承認し、証明した場合を除く
(※3)10年の間に複数回専門実践教育訓練給付金を受けようとする場合、最初に受けた
専門実践教育訓練給付金の受講開始日から10年を経過するまでの間に受講開始し
た給付金の合計額は168万円が限度となる
(※4)受講中に受けた給付金との差額が追加支給
教育訓練経費とは、本人が教育訓練実施者に支払った入学料および受講料のことをいい、検定試験の費用や交通費などは含まれません。教育訓練給付金には、他にも細かい注意点があります。厚生労働省のホームページから資料をダウンロードしたり、ハローワークで相談したりして確認してみてください。
参考:厚生労働省「教育訓練給付制度」
まとめ
一般教育訓練給付金と専門実践教育訓練給付金は、条件を満たせば何度でも利用することができるお得な制度です。国からお金をもらいながら上手にスキルアップし、変化の激しい時代を乗り越えていきましょう。
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