友人とお茶を飲んでいた時、彼女が突然、アメリカの老人施設に暮らす老人を対象に、「人生で最も後悔していることは何ですか?」という質問をした結果、ダントツで多かった答えは何だと思う?と聞いてきました。
殆どの人が同じ答えというヒントを聞いて、閃きました。「挑戦しなかったこと」
大正解。挑戦にはとても勇気が必要で多くの人は諦めることを選択するでしょう。
平成24年春、父が10年に渡る癌闘病の末亡くなりました。後4カ月生きれば80歳になる年でした。
亡くなる2年ほど前に、癌の進行に対し処置が追い付かなくなってきて、戦いが不利に見えてきました。
なので、妹夫婦が住むハワイへ家族旅行に連れていったり、温泉旅行をしたり。
亡くなる1年前にはもう長くはないと思い、実家をプチリフォームして居心地よくしたり、お正月はわが家で過ごしたり、後悔のないように出来る限りの思い出作りをしました。
お正月明けには妹夫婦が帰国して温旅行に両親を連れていってくれました。
皆、父にとてもよくしてくれて、本当に幸せな人だなぁ。とつくづく思ったものでした。その3月に入院。
病室で人生の幕を閉じると決めた父の最後の瞬間を看取ったのは私でした。
ゆっくりと消えゆく命。静かな病室で父の呼吸に耳を澄まし、心電図の波形を眺めていました。最後の時まで実感ができなかったけれど、人生には確実に終わりがあると知りました。
「いい人生の終わり方だったよね」と家族一致の意見でした。
けれど当人がどう思っていたかはわかりません。100歳まで生きたかった人なのに。二十年も早くこの世を去ることになるとまだまだやり残したことがあったかもしれません。
父は人生最後にその姿を見せることで「人生に後悔がないように生きろよ。」と強烈に教えてくれた気がします。
それからは、いつもその選択に後悔はないか?と自分に問うようになりました。
去年から「好きな時間に、好きな場所で、好きなことを仕事にしたい」と言い続けていました。
けれど、50歳手前で手に入れた現職をあっさりと手放す勇気がなかったのです。
手放すものの大きさは実感できますが、かわりに手に入るものに確信がないからです。
けれど、いま在る物をぎゅっーと握りしめたまま、新たなものを手に入れるのは不可能なのです。それを手放さない限り、欲しいものはつかめない。
「人生の終わりに後悔をしない方はどちらか?」自分の心に聞いてみました。
失敗しても挑戦する方。たとえ失敗しても、失敗したという事実が残るだけです。
けれど挑戦しなければ後悔という現実が一生ついてまわる。
引き留める会社と半ば喧嘩になりながら退職届けを提出しました。
45歳で自立に挑戦。55歳でまた新たに人生の挑戦が始まりました。
失敗は事実が残り、挑戦しなければ後悔が一生残る
2019年2月5日
この記事のライター
中道あん
Ameba公式トップブロガー。「女性の生き方ブログ!50代を丁寧に生きる、あんさん流」主宰。https://ameblo.jp/aroundfifty50/
45歳で再就職し自立。2男1女は成人し、要介護2の実母は有料老人ホームで暮らす。同世代の女性に向け日々の暮らしのあれこれをブログに綴り、実りある人生を歩んでいけるようなライフスタイルを発信。著書に50代、もう一度「ひとり時間」(KADOKAWA)。