為替を知れば世界がわかる! 初心者のための為替入門

2019年7月13日

「為替」と言えば、海外旅行に行った時に円をドルに換えること、くらいは知っていても、実はよくわかっていないという人は多いのではないでしょうか。円高、円安の意味からFX(外国為替証拠金取引)まで、為替を理解すれば、世界の経済について知ることができますよ。

そもそも為替ってなに?

為替とは、古くは離れた地域で行われる売買の際に、現金を持ち運ばずに支払いをする仕組みのことを言い、手形や小切手などがこれにあたります。現在では内国為替と外国為替に分けて使われることが多く、内国為替とは、国内での為替の取引き、外国為替とは、国外での為替の取引きを言います。一般的に「為替」と言うと、外国為替を指し、異なった国の通貨の交換という意味で使われることが多いようです。

外国為替取引とは

海外でものを売ったり買ったりする時には、その異国の通貨で取引をしなければなりません。そこで自国の通貨と交換するわけですが、その取引を「外国為替取引」と言い、いくらで交換するかの基準である通貨の交換比率を「為替レート」と言います。
よくニュースで、「今日の円相場は1ドル=107円台前半で取引され‥‥昨日に比べ、25銭円高ドル安でした」などと流れますが、これは米ドル/円の為替レートであり、アメリカで1ドルのものを買うには、107円を出さないと買えないことを表しています。
円高ドル安というのは、例えば、昨日は1ドルのものを買うのに、108円必要だったが、今日は107円で買えるとなれば、1円分、円の価値が上がり(円高)、ドルの価値が下がった(ドル安)と言えるわけです。ドル円取引の場合、1日の値動き(一番高い時と一番安い時の差)の平均は1円程度であるため、為替レートは銭の単位まで表します。(100銭=1円)

円高、円安の影響は?

円高、円安といった為替相場は、需要と供給によって決まります。円が欲しいという人が多くなれば、円高となり、円を売りたいという人が増えれば円安となります。そのため、為替相場は経済動向を表す指標となります。
円高、あるいは円安が進むと、経済に与える影響も大きくなります。
円高になれば、海外の品物を安く手に入れることができるため、輸入品を中心に物価を安くすることができます。一方で、円高は輸出製品の価格が高くなるため、海外での市場競争に勝てなくなり、輸出産業は不調となります。
円安になると、輸出産業は製品の価格が下がることで、市場競争で有利となり、業績が向上します。一方で、円安は外国製品の価格を引き上げ、また輸入原材料の高騰などによって、国内の物価も上がります。

為替相場と株価の関係

日本の投資家がアメリカの債券や株式に積極的に投資を行えば、円を売って、ドルを買うことになるので円安となり、投資資金が海外に流れることで、株や債券価格は下がります。一方で、アメリカの投資家が日本の債券や株式を大量に買えば、円高となり、株や債券価格は上がります。
しかし、ここ15年ほどの日経平均を見ると、円高の時には株価は下がり、円安の時には株価は上がっています。これは日本の株式市場を代表する日経平均株価の構成に、輸出企業の割合が多く、またそれらの企業規模が大きいため、円高では株安になり、円安では株高になっているわけです。
このように、実際はさまざまな要因によって、為替相場は動き、経済に影響を与えています。

外貨投資をするには

為替について、基本的な部分は理解できたでしょうか。
次に、為替を使って投資を行う方法をご紹介します。
為替によって、利益が出る方法は二つあります。
1.為替差益
2.外貨の金利
為替差益とは、1ドル100円の時に買って、1ドル120円の時に売れば、20円の儲けが出ます。これが為替差益です。当然、逆の場合もあります。120円の時に買って、100円の時に売った場合は、20円の損失がでます。これを為替差損と言います。
次に金利で利益を得る方法です。日本の金利はないに等しい水準なので、金利の高い通貨に換えておけば、その分の高い金利を受け取ることができます。
実際はこれに、往復の為替手数料と儲けが出た場合には税金がかかることを考慮する必要があります。

外貨預金

外貨で預け入れる銀行預金のことです。米ドルや豪ドル、ユーロなどさまざまな通貨を選ぶことができ、預け入れの時期や期間によって金利が変わってきます。注意点としては、為替手数料が高いことと、為替変動リスクがあることです。高金利のトルコリラや南アフリカランドなどは値動きが激しいため、その分リスクも高くなります。また、預金保険制度の対象外であることも念頭に入れておく必要があります。

FX(外国為替証拠金取引)

外国為替=FXと言うくらい、投資方法としては人気が高く、ネットで手軽に始められることも利点です。FXの為替手数料は外貨預金などと比べて非常に安く、片道手数料が1銭という業者もあります。(外貨預金の場合、片道手数料は安いところで15銭、大手銀行では1円かかります。)また、少ない元手で大きな額を動かすことができるレバレッジを効かせることができるため、資金を効率良く運用できます。一方で、レバレッジ効果によって、リスクも高くなる点には十分に注意しましょう。

外貨MMF

外貨に両替して、安全性の高い外国の債券(国債や社債)に投資する投資信託です。運用成績によっては高い利回りが期待できます。為替手数料は外貨預金の半分くらいですが、保有中に信託報酬がかかります。払い出しはいつでもできるので外貨定期預金に比べて、流動性が高いことがメリットです。
他にも、外国の債券や株式に投資する投資信託などがあります。日本の株や債券だけに投資をするよりも、リスクの分散となるため、これからの資産運用としておすすめです。
他国の通貨を知ることで、その国の経済情勢を知ることができます。為替をきっかけに世界の経済に目が向けば、投資力もぐんと上がるでしょう。

この記事のライター

石倉博子

1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP®認定者。
“お金について無知であることはリスクとなる”という私自身の経験と信念から、子育て期間中にFP資格を取得。実生活における“お金の教養”の重要性を感じ、生活者目線で、分かりやすく伝えることを目的として記事を執筆中。

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