前回までの記事で、チャートを見るための基本を解説してきました。
水平線とトレンドラインを使って、相場のトレンド判定もできるようになったかと思います。
この基本を踏まえ、いよいよテクニカル指標(インジケータ)を使った相場の分析方法を説明していきたいと思います。
トレンドのタイプに応じて、各種のテクニカル指標に着目すれば、
格段にトレードスキルもアップしていきます。
テクニカル指標は適当に選ぶものではありません。
トレンド相場ならトレンド系指標、レンジ相場ならレンジ系指標に注目してトレードをする必要があります。
トレンド、レンジなど相場の型で使い分けたいテクニカル指標
各テクニカル指標をトレンド相場型、レンジ相場型、トレンド・レンジ相場両用型の代表的なテクニカル指標が以下のとおりです。
●トレンド相場型
移動平均線、DMI
●レンジ相場型(オシレータ系指標ともいう)
ストキャスティクス、RSI
●トレンド・レンジ相場両用型
MACD、ボリンジャーバンド、フィボナッチリトレースメント
それぞれのテクニカル指標の特徴を把握し、組み合わせることによって利益を上げるトレード戦術を構築していきます。
今回は、私が主に参考にしている指標である、移動平均線とボリンジャーバンドについて解説します。
移動平均線の仕組み
移動平均線(Moving AverageまたはMA)は、上昇・下降トレンドの波に乗るトレンドフォローを狙うトレーダーにとって必要不可欠な指標です。
これは一定期間のレートの終値の平均を出して線を結んだものです。
例えば、5日移動平均線は、過去5日の終値を足して5で割った平均値です。
常に5日間の終値の平均なので、1日経過すれば、5日前のレートは削除して、
新たに加わった1日分を足した5日で平均値を算出しなおします。
〈移動平均の算出式〉
架空のドル円の8月21日の5日移動平均線を求めるとします。
この場合は、8月21日からの過去5日間の終値を求めて、それを合計した平均値が8月21日の移動平均線となります。
翌日の8月22日の移動平均線を求めるには、また過去5日間をさかのぼって平均を算出する。このとき、新しく8月25日が加わるため、8月17日は除いて考えます。
こうして、当日の平均を出して、それをつなげていく一つの線が出来上がります。これが移動平均線になります。
当然、日数がすくなり移動平均線は現在のチャートの動きに近くなり、
反対に日数が多い移動平均線は、チャートの動きから離れて緩やかな線になります。
また、移動平均線は、相場の方向を見るために使います。
移動平均線が右肩上がりなら上昇トレンド、下がっているなら下降トレンドと判定できます。
移動平均線の傾きの角度が急になればなるほど、強いトレンドとみなすことができます。
なお、移動平均線のパラメーターは、短期間であれば、
5日、10日、25日。
長期間であれば、
75日、100日が使われることが一般的ですが、チャートに応じて自分で調整しても構いません。
■短期25日線と長期75日線の組み合わせ例
※チャートは短期線に沿って進みます。短期戦をチャートが突き抜けた場合も長期線にふれるとその方向に向けて進んでいきやすくなります。
ゴールデンクロスとデッドクロス
基本的には短期足と長期足の移動平均線を上図のように2本表示して使います。
そして長期戦が短期戦を下から上に抜いた形をゴールデンクロス(GC)、
逆に下に抜いた形をデッドクロス(DC)といいます。
一般的にはGCは買いのサイン、DCは売りのサインとなりますが、必ずしもどうでないケースも多いので、参考程度に見ておきましょう。
むしろ、GCやDCが発生したときは、売りと買い勢力が激しくぶつかる相場なので、乱高下します。
安易に手を出さずにGC、DC後に発生するトレンドを見定めてからトレードするのがポイントです。
このGC,DCに関してはまた次回詳しく解説します。