配偶者控除と扶養控除にノーカウントとなる2つの証券口座

2019年8月22日更新

2019年10月から消費税が10%に引き上げられました。
給与や年金も手取りで2%アップすればトントンですが、そうもいかない人が多いようです。
このような中、少しでも、手元に残る金額を増やすために活用したいのが税制。
今回は、配偶者控除や扶養控除の所得要件と、所得要件を上手に活用するための2つの証券口座とその注意点について解説します。

配偶者控除・扶養控除は所得・収入がいくらまでなら適用できる?


所得税における配偶者控除は、本人の合計所得金額が1,000万円以下、かつ生計を一にする配偶者の合計所得金額が38万円以下(2020年以降は48万円以下)である配偶者に適用できます。
所得金額の要件を収入に置き換えると、給与収入のみの場合は103万円以下、公的年金等の収入金額のみの場合は108万円以下(70歳以上は158万円以下)となります。
所得税における扶養控除は、本人の合計所得金額を問わず、生計を一にする16歳以上の親族(子、親、兄弟姉妹等)のうち、合計所得金額が38万円以下(2020年以降は48万円以下)である場合に適用できます。所得金額の要件を収入に置き換える場合、上記の配偶者控除と同じです。
つまり、配偶者や扶養親族の給与や年金、事業、不動産賃貸等の所得金額が多くなると、控除を適用できなくなるのが大原則です。所得金額が多くても、配偶者控除・扶養控除の適用の有無に影響しない証券口座があります。

お勧め口座(1)特定口座(源泉徴収口座)


銀行や証券会社等で開くことができる口座で、上場株式や国債等の特定公社債、投資信託等を取引するための口座です。
この口座内で取引した株式や投資信託等の売却益や配当金・分配金等の利益について、20.315%の所得税・住民税が源泉徴収されますが、確定申告は必要ありませんし、確定申告をしない限り、合計所得金額に含まれませんので、配偶者控除や扶養控除の適用に影響しません。
なお、特定口座(源泉徴収口座)以外の、一般口座や特定口座(源泉徴収なし)の口座の利益については、原則、確定申告が必要となります。
給与所得者の場合、給与所得・退職所得以外の所得金額(利益)の合計額が20万円以下であれば所得税の確定申告が不要となる制度がありますが、
・医療費控除等、何かしらの確定申告を行う場合には、20万円以下の利益も所得税の確定申告は必要
・20万円以下の利益であり、所得税の確定申告は不要でも、住民税の確定申告は必要
である点を見落としている人が多いようです。
細かい税務の規定に振り回されず、配偶者控除や扶養控除を活用しやすくするためにも、「特定口座(源泉徴収口座)」を活用した証券取引をお勧めします。

お勧め口座(2)NISA(ジュニアNISA、つみたてNISA)


銀行や証券会社等で開くことができる口座で、口座内の取引における上場株式や株式投資信託等の譲渡益や配当金、分配金が非課税となります。
ただし、年間に購入することができる上限、投資対象に制限が設けられており、
NISA口座(20歳以上)は年間120万円、非課税期間は5年間、投資対象は上場株式、株式投資信託等
ジュニアNISA口座(20歳未満)は年間80万円、非課税期間は5年間、対象は同上
つみたてNISA口座(20歳以上)は年間40万円、非課税期間は20年間、投資対象はローコストの株式投資信託等となっています。
1年間の投資金額には上限が設けられていますが、非課税期間内は、いくら利益が出ても非課税となり、合計所得金額には全く影響しません。
たとえば、贈与税の基礎控除(受贈者側で年間110万円を限度)を活用して、配偶者や子どもに一定の資金を贈与し、贈与を受けた人がNISA口座を活用して投資に取り組めば、家族の人数分、非課税口座を活用できます。
なお、特定口座は複数の銀行、証券会社に開設できますが、NISA口座で取引できるのは、1年につき1つの金融機関に限られます。
投資は利益が発生するばかりではなく、損失が発生する可能性もありますので、配偶者控除や扶養控除による節税効果以上に損失を被る可能性はありえます。税制を正しく理解して、味方につけて、将来不安に備えてみてはいかがでしょうか?
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この記事のライター

益山真一

ファイナンシャルアカデミー認定講師。「お金の教養スクール」で教壇にたつ。家計改善を得意とするファイナンシャルプランナー。國學院大學経済学部の非常勤講師も勤め、研修・セミナーの実績も多数。経済、景気等への感度が高く、株式投資では18ヶ月連続増益の経験もある。

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