介護にまつわる「お金」の話。暗証番号を忘れちゃった!

2019年10月5日

母の有料老人ホーム入居をきっかけに銀行口座を預かりました。同居当時は年金が振り込まれる日が待ち遠しかったのか、朝一番でバスに乗り駅前までお金をおろしに行っていた母。しかし、だんだん億劫になり最後は「お金をおろしてきて」と頼まれるようになりました。その時キャッシュカードの暗証番号を教えてもらいました。母はメインの口座、年金振込口座、引き落とし専用口座など、3つの口座を使い分けしていました。
ホームに支払う介護サービス費の引き落とし、生命保険、互助会費、介護用品のレンタル等は自動銀行引き落としです。役所などから還付金もあるようですが、まれに記帳するだけで普段は口座をほったらかしに。たまに調子を崩し入院をしたり、施設でのお小遣いや、いろいろと現金が必要な場合は私が立て替えて、まとまった金額になったらメイン口座からお金をおろすようにしていました。
先日久しぶりにお金を下ろそうとしたら、暗証番号を間違えてしまい、ロックがかかってしまいました。「やってしまったー」と落胆。通帳と印鑑、本人の委任状がそろっていても、窓口で本人以外の人が出金をすることは、今では非常に難しくなっています。知ってはいましたが、ダメ元で銀行の窓口で事情を説明しました。老人ホームで暮らしていること、お金の管理は私がしていること、車いすで外出が簡単でないことを理由に代理で手続きができないだろうかとお願しました。

その銀行では委任状は効力がなく、今回は身分証明書を提示することで何とか暗証番号はリセットできました。しかし、肝心の暗証番号は教えては貰えません。それはあくまでも本人が来店してからのことと。たまたま思い出せたからいいようなものの、親の状況によっては暗証番号が分からず仕舞いのこともありうるなぁ。と感じました。そうしたら下ろせなくて慌てふためくことになりそう。私も年々忘れっぽくなり、約束ごとは手帳に書かないと忘れてしまいます。IDやパスワードなども暗記できているものは少ないです。ぜんぜん使わないキャッシュカードの暗証番号を忘れることももはや普通。今回のことで親の個人情報の記録しておく必要性を感じました。

手続きの間ソファーで待っていると、向こうから二人連れの女性がやってきました。丁度母と私と同世代。杖をついたご婦人は足元がおぼつかずよたよたとソファーに腰を下ろしました。横で娘さんが「お母さん、なんでそれだけしか下ろさんの?」「またすぐ足りなくなって来なくちゃいけないやん」ご婦人の声はか細すぎて聞こえません。「奈良から来るの大変やねんで。」「あーもー。はいはい、来たらええねんな。」と背もたれに体を押し付けるようにして天井を見上げる娘さん。やり取りをみていると娘さんは随分疲れている様子に見えました。そうか、一人で銀行に来れないんだ。だったら娘さんが代わりにお金を下ろしたら数分で済むと思うのだけど。それができないのだろうな。どう考えても、時間も労力も無駄にしているように見えるのですが、もしかして、お金周りのことを情報共有しない親子は案外多いのかしらと思いました。
先に席を立ち前を歩くお母さん。後ろからついて歩く娘さんの体がフラフラと左右に揺れて見えました。現金が決済手段の戦前生まれの高齢者ほど銀行に行くことは多いのです。そのたびに子が親に付き添うのも介護のひとつ。親子でもお金ことはシビアな関係なのですね。

この記事のライター

中道あん

Ameba公式トップブロガー。「女性の生き方ブログ!50代を丁寧に生きる、あんさん流」主宰。https://ameblo.jp/aroundfifty50/
45歳で再就職し自立。2男1女は成人し、要介護2の実母は有料老人ホームで暮らす。同世代の女性に向け日々の暮らしのあれこれをブログに綴り、実りある人生を歩んでいけるようなライフスタイルを発信。著書に50代、もう一度「ひとり時間」(KADOKAWA)。
2019年2月フリーランスに転身。Eittoness美人のブログ塾やセミナー、Eittoness美人be塾を開講。

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