直近の値動きを重視する指数平滑移動平均線(EMA)
移動平均線のバリエーションのひとつに、指数平滑移動平均線(Exponential Moving Average略称EMA)と呼ばれるものがあります。
前回説明した移動平均線は単純に過去の動きを平均したもので、指数平滑移動平均線と区別するために、単純移動平均線(Simple Moving Average略称SMA)と呼ばれることもあります。
EMAは、SMAよりも早く反応するように作られています。
SMAは期間内の値動きを単に平均したものですが、EMAは、古い値動きよりも直近の値動きの方を重視することを念頭に入れたものです。
例えば、10日間のチャートの場合、9日間は変動のない穏やかな相場だったが、最後の1日で暴落が起こった場合SMAの動きはとても鈍いものになります。
その反面、EMAは直近の変動に重きを置くため、SMAより早く反応するようになります。
その結果、トレーダーは素早い反応ができることになります。
単純移動平均線(SMA)と指数平滑移動平均線(EMA)の違い
EMAもSMAと同じく、磁石のような反発・引き寄せの法則があります。ゴールデンクロスやデッドクロスも描かれますし、グランビルの法則も有効となります。
ただ、SMAよりも反応が早い、ということです。
では、SMAよりEMAを使ったほうがいいか?というと、一概のそうとも言えません。
SMAであっても、チャートが変動したときに線が傾く早さが遅いと言うだけで、トレンドの方向や力強さを見るのには最適な指標に変わりないからです。
また、EMAは使える業者が限られており、ややマイナーなところがあります。
反対にSMAは世界中のトレーダーの多くが使っていうメジャー指標です。なので、EMAよりもSMAの示す方向に動きやすいケースも多く見られます。
結論としては、EMAはスキャルやデイトレといった短期間で差益を狙うタイプのトレーダーに適しています。
スイングトレーダーやじっくりと構えて投資をしたいという人にはSMAで十分でしょう。
移動平均線とは
移動平均線は、テクニカル指標で最もポピュラーなものです。
相場を動かしているのはトレーダーなのですから、ほとんどのトレーダーがみているメジャーなテクニカルの示すサインには注目しなければなりません。そういった意味では、移動平均線はトレードに外せない指標です。
移動平均線はトレンド相場で威力を発揮します。移動平均線の傾きが長期間になればなるほど、強靭なトレンドとなります。
つまり、日足や月足で発生した移動平均線のトレンドは、簡単には方向転換をしません。
移動平均線が向いている方へトレードしていくのが、シンプルかつ有効な戦術となります。
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