こんにちは。ファイナンシャルプランナーの資格を持つ新聞記者、はるちゃんです。
小学館のビッグコミックスで連載されている漫画『正直不動産』(大谷アキラ、原案・夏原武、 脚本・水野光博)が話題になっています。「千三つ屋」とも言われる不動産業界の闇をさらけ出す「皮肉喜劇」で、笑いながら業界の裏側を知ることができ、マンションを借りようとしたり、不動産投資を考えたりしている方には、絶好の入門書とも言える作品です。
出典:Amazon
作品の主人公は、不動産会社「登坂不動産」のエース営業マン・永瀬財地。巧みな話術と爽やかな笑顔で、ダントツの売り上げナンバーワンとなっています。しかし、とある地鎮祭で、敷地に残されていたほこらを壊したことから、「ウソ」をつけなくなります。巧みな話術(ウソとはばれない話術)で営業成績を上げてきた永瀬は、一転して不動産屋の本音を顧客に漏らしてしまう「正直営業」で、ライバルとの闘いなどに奮闘するストーリーです。
「千三つ屋」 その意味は「千の言葉に真実は三つ」!
作品の中で、入社したばかりの女性社員は「千三つ」の意味について、「家がほしいって話が1000件あっても、契約に至るのは3件って意味ですよね?」と営業の難しさを言う一方、永瀬は「千の言葉の中に、真実はたった三つしかないことだ。正直者がバカを見る。ウソついてなんぼのイカレた世界…。それが不動産の営業だ」と言い切り、ウソに塗り固められた業界であることを隠そうともしませんでした。
しかし、そのウソをつけなくなった永瀬は、ついつい顧客に本音を言ってしまい、悪戦苦闘することになります。家族や友人が不動産業界に勤めていればまだしも、一般の人はなかなか業界の本音を聞くことはできません。私も不動産投資のセミナーに参加したことがありますが、「明るい未来」が語られるだけで、その裏側は全く分かりません。この漫画では「業界の闇」の一端に触れることができます。
お抱えライターが書く「業界寄り」の入門書に要注意!
不動産投資にせよ、賃貸契約にせよ、少しでも多く業界の本音を知っている方が、契約を有利に進められることは間違いありません。とはいえ、活字の本は敷居が高いという人もいるでしょう。場合によっては、「千三つ屋」のお抱えライターが書いた「業界寄り」の内容に終始する本もあり、彼らのポジショントークに乗せられてしまう恐れもあります。
不動産投資や株式投資、各種保険など、どんなハウツー本でも、筆者がどのようなスタンスで記事を書いているのか理解しながら読み進める必要があります。小学館ホームページによると、『正直不動産』は、不動産業界を仕切る業者のツイッターユーザー集団「全国宅地建物取引ツイッタラー協会」から「非推奨」のお墨付きが付いたと言います(笑)。これならば、安心して「顧客寄り」の入門書として読めそうです。「カスタマーファースト」の女性社員もついつい応援したくなります。ぜひご一読ください。
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