デイトレード、高配当株投資、FX、商品取引。。。投資には色んな種類がありますね。実は、気軽に使っているこの投資という言葉の中には、正確に言うと「投機」と呼んだ方が相応しいものと、本当の「投資」に分類できるのです。今回のコラムでは、とかくギャンブルとの印象が強い「投機」と、「投資」の違いについて、サルでも分かるように解説していきます。

投機は「ゼロサムゲーム」、投資は「プラスサムゲーム」

両者の大きな違いは、「ゼロサム」か「プラスサム」だと考えます。「ゼロサム」とは、対象のパイが変化なく、限られたパイを“取り合う”ことを指します。デイトレードや商品取引などはパイが成長するものではありません。よって価格の変動幅に対して利益を取り合うことになり、誰かが得をすれば誰かが損をすることになります。
「プラスサム」とは、対象のパイが増加しその成長分を“分け合う”ことを指します。株式投資を例にすると、企業は本業の業績を拡大させることで、一株あたり利益を増加させることができます。その結果、株価を上げたり配当を増やしたりできるので、株式を保有した人みんなに利益をもたらすことも可能です。
つまり価格の変動に重きを置くのが「投機」。価値の増加に重きを置くのが「投資」。投機は価格の変動に重きを置くことから、大金を賭けることが多くなるので、「ギャンブル」「リスクが高い」「コワイ」というネガティブな印象が付いてしまうのです。

一攫千金なら「投機」、着実に増やすなら「投資」

また、「どんな時間軸で見るか」という視点でも両者の違いを説明することができます。競馬などのギャンブルはもちろん、株式（デイトレード）、FX、商品取引などの投機は、短期的な価格と価値のブレを基に一攫千金を狙う傾向にあります。無論一攫千金を狙う以上、資産を一気になくしてしまうリスクを伴うことは言うまでもありません。
一方、投資は価値の増加にかけるので時間を要する欠点があります。だから通常短期では儲けることはできません。ただ業績が向上し企業価値が上昇している株式を長期に保有するなど着実に資産を増やすことができます。ゆえに資産運用として、再現性があり万人に勧めることができるのです。価値が上昇するものを選べば、短期的には価格は上がったり、下がったりしますが、長期には右肩上がりになるのでじっくり待つことが大切です。一方早く資産を増やすなら、種銭を多く入れることが必要になります。

どっちが良い、悪いというものではない。ただ投機は勝てる“機”の見極めが重要

とかくイメージが悪い「投機」ですが、「投機」と「投資」のどちらが良い・悪いというものではありません。要は何を目的にするか、何を目指すのかによって変わってきます。つまり、それぞれメリット・デメリットがあるということです。
投資は安定、着実に資産を増やすメリットがある一方、時間がかかるデメリットがあるのに対し、投機は短期的に金持ちになれる可能性があります。「若いうちに一気に金持ちになりたい。」などリスクを取って一攫千金などを考えるなら、どこかでリスクをとらないと無理ですよね。そうなると、投機をしていくことも一つの選択肢になります。もちろん失敗して貧乏になるリスクが高いことは念頭に置いておいてください。
また、投機で成功したいなら、欲や感情をコントロールして自分を律することが必要です。決して人のせいにしてはいけません。方針を自分で決め、勝てる“機“を見極めて行動に出るが重要です。投機のつもりが失敗して「長期投資に変更」と言い訳するなどは愚の骨頂です。
一気に階段を上がるのを目指すのか、コツコツ上がるのか。目的と目指すものに応じて、2つを使い分けることが重要なのです。
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