
近年、保険会社は「医療保険」を積極的に販売しています。その一方、実際のところ医療保険が具体的にどのようなものであるかについて、しっかりと理解されていない方が多いかと思います。そこで、実際に商品開発の経験がある私から医療保険について説明をさせて頂きたいと思います。
では、医療保険の前に、まず保険の分類についてお話ししましょう。
保険は「第一分野」「第二分野」「第三分野」に分類されます。
「第一分野」とは、定期保険や終身保険など、人の生死に関する保険が属するものです。定期保険や終身保険は、人が死亡した場合に保険金が支払われるものですが、生存している限り支払われるような年金保険についても、この第一分野に分類されます。
「第二分野」とは、自動車保険や火災保険など、損害を補填する保険が属するものです。一般的に損害保険と言われるものです。
最後に「第三分野」ですが、これは第一分野、第二分野のいずれにも属さない保険のことを言います。人の生死に関する保険でなく、かつ、損害保険でもないものということで、医療保険はこちらに属するわけです。
その他に有名なものとしては、がんと診断されたり、がんと診断後の治療を行った場合に保険金が支払われる「がん保険」、働いている方が働けなくなった場合に保険金が支払われる「就業不能保険」、一定の介護状態となった場合に保険金が支払われる「介護保険」などがあります。
ちなみに生命保険会社では、第一分野と第三分野の保険商品を販売することができます(もちろん保険商品を販売するためには、その販売しようとする商品について金融庁の認可が必要です)。
第一分野では生死に関する保険しかないことから、実際のところ、第一分野で画期的な保険商品を開発することは難しいこともあり、近年、生命保険会社はあまり力を入れておりません。
一方、第三分野は、作ろうと思えば色々な保険商品を開発できることもあり、各生命保険会社は第三分野に力を入れております。ただし、これだけが第三分野に力を入れている理由ではなく、昨今の低金利環境も影響を与えているのですが、やや複雑な話となりますのでここでは割愛させて頂きます。
その第三分野の中に医療保険は属しているのですが、実際のところ「医療保険」という言葉だけが独り歩きしていて、どのような場合に保険金が支払われるかなど、意外に理解されていないように思えます。
そこで、次回は、医療保険の保険金の支払いなどの仕組について、具体的にご説明して行きたいと思います。
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