老後2,000万円問題に見る、働くとは何か

2019年7月1日

世の中の問題が、小説、TVドラマや映画のテーマとなり、それが実際の文章や映像になるには少しタイムラグがあります。
さらにそのテーマが政治の課題となるのはそれよりも遅くなるように感じます。
人々の中で既に認知されていることが、あえて国や政府から問題視された時に、いまさらと感じることもよくあります。
最近では、老後2,000万円問題です。
僕はこのニュースを聞いた時、え!?やっと?と思いました。
僕が当事者であることも関係しますが、老後には、やれ3,000万円だ、5,000万円だ、中には1億円は必要だ、それが用意できなきゃ、老後破産だ、なんて危機感を煽る記事を何度も目にしてきたからです。
僕は、そんな記事を目にしたり読んだりするたびに、定年後、老後の生活は人によって様々だよとツッコミを入れていました。
自分の現実を直視して、何もしなくても入ってくるお金と夫婦二人で必要な金額を算出し、足りない分をどうすればよいかを考えれば済みことではないか、と思います。
ところが世の中には、老後2,000万円問題に対して大きく3つの反応がありました。
僕の実感では、僕のような考えの人が一番多く、半分くらい。あとの半分の人たちが騒いでいるのではないか、と思っています。
今日は、老後2,000万円問題への反応とそこから考えられる働くこととは何か?を考えたいと思います。

わたし定時に帰ります

先日最終回を迎えたTBS系ドラマ「わたし定時で帰ります」は気になっていました。
TVドラマには全く無関心な僕ですが、主演が吉高由里子さんだったこともあり、ダイジェスト版で観ました。
アメリカ在住の映画評論家町山智浩氏が、ラジオ番組でこのドラマについてコメントしていました。
なんでもニューヨークタイムズがこのTVドラマが取り上げたそうです。
なぜアメリカのメディアが、このドラマを取り上げたかという、なんで定時で帰らないの?!と単純に驚いたためだそうです。

つまり帰るために定時があるのに、定時で帰るOLがなぜヒロインになるのか、理解できないということです。
みんなが定時で帰って仕事が処理できないなら、効率化を図るか、仕事を減らすか、人を採用するかを考えるのが企業側の判断です。
ところが、日本の企業では、誰かが残業したり、休出して頑張って会社を支えているから根本的な改善が出来ないのです。
その結果として無駄な仕事が多く、効率化が遅れ、日本経済の停滞につながっているのです。
ドラマ「わたし定時で帰ります」は、そこまで問題提起をしているドラマで、日本の歴史にとって大事なドラマだと思うということを町山氏は、熱く語られていました。

楽天主義と楽観主義

「嫌われる勇気」などの著書で知られるアドラー心理学の研究者岸見一郎氏の書籍の中で、面白い内容を見つけました。
それは楽天主義と楽観主義という内容です。
この2つの言葉は、似て非なるものです。
まず、楽天主義とは、現実を直視しないで、なんだなんだ、どうなってんだ、なんとかなるんじゃないか、と騒いで何もしないことです。
今回の老後2,000万円問題でも大変だ、大変だと言って、自分のもらえる正確な年金額も調べないで騒ぐだけで、結局何もしないだろうな、と思われる人が何%かいるように感じます。
次に、老後2,000万円問題が話題になり、では自分は老後いくらの年金がもられるのか、ねんきん定期便やねんきんネットで調べる人がいます。
こちらの人が多数だと思います。

出典:日本年金機構
しかし、反応が2つに分かれます。
一つは、長年働いてきたのに、これだけしかもらえないのか、これでどんな生活をすればよいのか、国はなんとかしてくれないのか?と嘆くだけの人です。
こういう考え方の人たちは、悲観主義者です。
もう一つは、もらえる年金額と生活に必要な金額は比較し、例えば5万円不足するとします。
ならば、その不足分を埋めるために働こう、元気な60代の内に月10万円以上の仕事をして毎月5万円貯金して行けば、70歳以降もなんとなるだろう、と考える人です。
多分こういう人が一番多く、僕は全体の半分くらいだと思います。
こういう考えを持つ人たちは楽観主義者です。
僕もその一人です。
でも声を上げるのは楽天主義者が多いので、楽観主義者も声を上げることが大切です。

最後に

僕は、長年勤めた会社をあとひと月で退職します。
8月からは、アルバイトと自営で生活していきます。
そのアルバイトもようやく決まりました。
38年ぶりのアルバイトです。
なんか学生時代に戻ったような気分でわくわくしています。

自営だけで生活できるには、最低で半年、長くて1年と見ています。
今度始めるアルバイトは、長く続けられそうな仕事です。
自営で食べていけるようになっても働ける間は、アルバイトを続けたいと考えています。
最後になぜ働き続けるか?
僕の答えは単純です。
生きるためです。

この記事のライター

こめまる

1957年9月、富山県生まれ、'82年早稲田大学を卒業後、都内の企業に入社。
2017年9月、同社を定年退職し、そのまま再雇用制度を利用し、継続勤務中。
現在、横浜市のアパートに妻、娘2名、猫3匹と同居。
定年後も体が続く限り働くことをモットーとし、働くことは、健康を維持し、生きがいを感じ、生活費を得る良い手段と考え、日々フルタイムで働いています。
趣味はクラシック音楽を聴くこと。現在LP、CD合わせて1000枚以上所有。聴かずに死ねるかとマニアックな名盤、珍盤を日々集め、聴きまくっています。

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