前回は「資産」とは何なのか?についてお話ししました。
今日はもう少しそのあたりの話を掘り下げていきましょう。
結論から言いますと「資産」として貸借対照表に載せて良いかどうかの判断基準には以下の4つがあります。
①お金に変わるもの
これは分かりやすいですね。「現金」や「預金」、「株」や「土地」がこれに該当します。これらはすべてお金に変わりますからね。あとは企業にとって「商品」や「製品」も「売上」を上げることでお金に変わりますね。また、人にお金を貸している場合も「貸付金」というして資産になります。お金を返してもらう時には貸付金は「お金に変わる」と言えるからです。
②お金を生み出すもの
これもまだ分かるかと思います。前述の「土地」も言い換えれば「お金を生み出すもの」です。土地を貸して賃料をとればそれは立派な「お金を生み出すもの」だからです。建物や工場、機械やあとは細かなパソコンなどもそうでしょう。企業はそれらを毎日使うことでお金を生みだしているのですから。
③将来の支出を減らすもの
これは少し難しいですが①をより広く考えた概念で、「お金に変わるもの」だけではなく「将来出ていくお金を減らす」効果があるものも広義の「お金に変わるもの」と考えるのです。
例えば「前払費用」です。保険など3年契約のものを一括で払った場合、契約期間のうち2年分は今年ではありません。つまりこの2年分は「本来後日払うべきだった保険料を先に払うことで、将来のお金の支出を減らしている」と考えることもできるのです。
④将来の費用になるために待機しているもの
上記の①②③のうち「商品」「製品」、「建物」や「工場」、「前払費用」などはこの考え方により「資産」に分類することもできます。
「商品」「製品」がどうして①のように「資産」になっているのか。それはその年に「売れた」ものは損益計算書の「売上原価」になる一方、その年度末に「売れ残っている」部分が貸借対照表に残っているからです。前回もお話ししましたようにそれは「建物」や「機械」でも同じ。「減価償却」というルールによって、その年の分だけは損益計算書の「減価償却費」になる一方、その年度末にまだ減価償却されていない部分が貸借対照表に残るのです。
会社はまずお金を集めます。そのお金が「借金」なら「負債」、株主から出資してもらったのであれば「純資産」となります。
そしてそのお金が「資産」になります。最初は現金や預金だけですが、その現金預金で、いろんなものを買うことにより機械などの他の「資産」に変わることもあるでしょう。
そしてその「資産」を「費用」に変えます。商品は売上原価になり、機械は減価償却費になるのです。
そしてその「費用」を使うことで売上という名の「収益」が生まれます。そして「収益」から「費用」を引いたものが「利益」になり、利益の分だけ会社の「純資産」が増えて会社はまた「資産」を買うことができるというサイクルが生まれるのです。
「資産」というのものの本質から、この会計の一連の流れをイメージできるようになりましょう。
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