いざという時に困らない、火災保険の賢い入り方・見直し方

2015年7月24日

いざマイホーム購入となると、一気に様々な事務書類が押し寄せる。
ともすると一つひとつを細かく吟味する間もなく事が進んでしまいかねない。その代表的なものとして挙げられるのが火災保険だ。周りにいるマイホーム購入者を見渡しても、銀行や不動産業者から紹介された火災保険にそのまま加入した、というケースは実に多い。しかし、言わずもがなであるが、火災保険は「加入さえすれば安心」というものではない。将来、起こるかもしれない火災その他のアクシデントの際に「マイホームを守る」という保険本来の補償の役目をしっかりと果たしてこそ意味がある。では、いざという時に「マイホームを守れる」補償とはいったいどのようなものなのか。

「マイホームを守れる」補償とは?

ここで知っておきたいのが、「新価払い」と、「時価払い」という言葉だ。
「新価」とは、火災などによって建物などが使用不可能になった場合に、それらをもう一度調達するために必要な金額を指す。保険金が「新価払い」(または「再調達価格」での支払い)の契約になっていれば、万が一の際にも再度、同じものを調達するために必要な金額が支払われるということになる。一方、「時価払い」の契約は、年月の経過とともに価値が減っていくという前提に立ち、事故が起きた時点での価値に応じて保険金が支払われる。
当然、保険料は「新価払い」よりも「時価払い」のほうが安く抑えられるが、火災でマイホームを丸ごと失った場合に再度、同じようなマイホームを手に入れるということは実質的に不可能だ。せっかく保険料を支払うのにこれでは帯に短し、と言わざるを得ない。
ただし、生命保険の場合には、原則としてたくさん保険をかければそれだけ多くの保険金が受け取れるが、火災保険の場合には、多ければよいというわけではない。建物の評価が3,000万円のマイホームに(通常はあり得ないが)8,000万円の補償をつけたとしても、全焼時に受け取れるのは8,000万円ではなく、あくまでも3,000万円になる。生命保険と火災保険をはじめとする損害保険には決定的な考え方の違いがあるということを覚えておこう。

補償内容をきちんと確認しよう

このような視点も含め、火災保険に加入する際には補償内容をしっかりと確認することが不可欠だ。
銀行や不動産業者からの提案だからといって内容を丸のみにする必要はない。補償内容や補償金額の変更を依頼することも可能だし、自分で保険会社から直接、見積もりを取るのもよいだろう。「新価」の根拠となる建物の評価額も保険会社によって計算の方法が異なる。保険料がそれほど変わらないのであれば、できるだけ建物の評価を高く見積もってくれる保険会社で加入したほうがおトクともいえる。すでにマイホームを購入し、火災保険に加入済みという人でも遅くはない。まずは「時価払い」ではなく「新価払い」になっているかどうか、保険証書を確認してみよう。
「新価払い」になっていた場合でも、購入当時と今とでは建築事情が大きく異なり、当初設定した補償金額では到底、再度同じようなマイホームを手に入れられそうもないという場合もあるかもしれない。反対に、「再調達はあきらめるから、住宅ローンが返済できるだけの補償があればよい」というのであれば、繰り上げ返済をした分だけ火災保険での補償期間や補償額を減らせる可能性もある。
商品そのものも日進月歩で進化しているし、料率も改訂されている。35年間などの一括払いで火災保険に加入した場合でも、途中解約すれば残りの期間に応じた保険料が解約返戻金として受け取れるので、見直しの余地は大いにあるといえるだろう。

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