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2019年6月5日更新

老後に差がつく住宅ローンの組み方・返し方 前編

老後に差がつく住宅ローンの組み方・返し方 前編

住宅購入を考えた場合、まずは不動産屋や住宅展示場に行き、家を探す人が多いでしょう。そして、物件を決定したあとに、住宅ローンについて検討するのではないでしょうか。住宅ローンの組み方・返し方は、老後に差がついてきます。この記事の前編では、住宅ローンで失敗するポイント、予算と頭金の決め方、金利選択について解説します。

住宅ローンで失敗するポイント

「住宅ローンが完済するまで不安」という声はよく聞きます。平均寿命がどんどん長くる日本では、老後資金不足が心配な人や、長期に大きな負債を負うことに漠然と不安を感じる人も多いことでしょう。さらに雇用環境も不透明なうえに、結婚や出産も晩婚化しています。35年もの長期ローンを組めば、定年後もローンを支払うイメージを持つかもしれません。この住宅ローンについての不安については、約87%の人が「不安」と答えているアンケート調査結果もあります。

住宅ローンで失敗するポイントは、住宅購入までのプロセスにあります。多くの人は、物件を探す際に、立地に周辺環境、家の広さ、交通アクセス、間取、価格など、多くの条件を設定します。そして「これならば」と思う物件を見つけ、購入すると決めたらすぐに契約となります。この決して長くはない契約までの期間で、はじめて住宅ローンのことを考えはじめる人は少なくありません。すでに物件が決まっている段階では、限られた時間の中で、必要書類の準備をしながら、住宅ローンについて学んだり、調べなくてはなりません。これでは最適なローンを選ぶことが難しくなります。つまり、失敗しない住宅ローンの組み方とは、家を探す「前に」住宅ローンについて学び、調べておくことなのです。

次に視点を変えて、銀行の融資担当者の立場を考えてみます。「都内に5000万円の新築一軒家を建てたい」と考えているAさんが、住宅ローンの申込みをしてきたとします。返済期間は30年、5000万円の住宅ローンを希望しており、月々15万円の返済になります。ここで融資の判断ポイントになるのは「返済比率」です。

返済比率とは、年収に対する年間返済額の占める割合のことです。住宅ローンの返済比率は、年収と貯蓄の25%以内にするのが一般的です。しかし、同じ返済額であっても住宅ローンには借入金額や返済方法が複数パターンあるのです。

民間ローンは、大手銀行・信託銀行・地方銀行・信用金庫・信用組合、ネット銀行など、様々な金融機関で取り扱いがあり、住宅ローンを取り扱っている金融機関は1500社以上にもなります。民間ローンと住宅金融支援機構が提携して提供するフラット35や、財形貯蓄を行っている人だけが利用できる財形住宅融資などもあります。それぞれの金融機関では、金利や返済方法が異なるため、数千種類もの中から選択しなくてはなりません。たとえば、いくつかの金融機関で変動金利を比較してみると、A銀行では0.507%、C銀行では2.475%といった差があります。具体的に借入金額を3,000万円、35年間借りたと想定し試算した利息総額を比較してみると、A銀行の275万円に対して、C銀行では1,488万円になります。このほかにも、保証料や事務手数料にも違いがあるため、住宅ローンを組むときは、3社以上の金融機関を比較検討することが重要です。

賃貸の家賃額と住宅ローンの月々の返済額が同じならば問題ない?

次に予算について考えてみます。無理のない月々の住宅ローン返済額を考えるときには、購入前に支払っている家賃などの住居関連費と貯蓄金額の合計額が一つの目安となります。これらの金額が、購入後に支払う返済額に加え修繕積立金や管理費、駐車場代などの住宅関連費用、貯蓄金額の合計と同等になるようにします。

次に頭金についてです。「購入価格の2割程度を用意するべき」と聞いたことがある人もあるかもしれませんが、これはひと昔前の話です。バブル期には、銀行の金利は8%代、住宅金融公庫でも5%代の金利水準だったため、当時は金利を少しでも抑えるために頭金をある程度入れるほうがよいといわれていました。現在は、低金利が続いているため、必ずしもそうとは限りません。それよりも、子供の教育費が増える頃に貯蓄残高が底をつかないか、などのライフプランを考慮することが大事です。

金利とは?固定金利と変動金利どちらが良い?

まずは金利の定義について整理していきます。金利とは、借入の対価として銀行に支払う利息のことで、固定金利と変動金利があります。

固定金利とは

固定金利は、借り入れ時の金利が返済終了まで続くもので、返済額が一定で長期の生活設計が立てやすいというメリットがあります。ただ、借り入れ当初は変動金利より金利が高いことがデメリットです。

変動金利とは

変動金利は、一定期間ごとに適用金利が見直されるもので、借り入れ当初の金利が低く、返済期間中にさらに金利が下がれば返済額が減るというメリットがあります。デメリットとしては、30年超といった長い返済期間の中で金利が上がれば、返済額が増えることです。

固定金利でも変動金利でも、景気や物価、為替などさまざまな要因の影響を受けて毎月動いています。

住宅ローン金利推移

【スライド28 住宅ローン金利推移】

金利の選択は、お金についての考え方や行動特性などによって向き不向きがあります。質問でタイプ診断ができるチェックリストを紹介しますので、〇か×かで答えてみましょう。

《タイプ診断〇×チェック》

1.月々の返済額は、できるだけ抑えたい
2.こどもの教育にはできる限りお金をかけたい
3.困ったときに、お金の援助は、だれにも頼めない
4.金利の動向を毎月チェックしていない
5.貯蓄・節約は、苦手だ

当てはまるものが 2個以下の人は「変動金利向き」、3~5個の人は「固定金利向き」といえそうです。

今回の前編では、住宅ローンの組み方として、住宅ローンで失敗するパターンや予算と頭金の決め方、金利選択について紹介しました。後編では、住宅ローンの返し方を解説していきます。

老後に差がつく住宅ローンの組み方・返し方 (後編)はこちら

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