小学生でもわかるビットコイン② どんな人がビットコインを使い始めたの?

2017年10月6日

<前回のあらすじ>
ビットコインを欲しがるサトシ(12)に母親の美奈子(38)はビットコインの基礎知識を教えることに。自分のパソコンがないと受け取れないことを知りサトシはがっかりしたが、ビットコインの入手方法については興味津々の様子です。

良いお金の条件

「ところでさぁ、もし、サトシがお金を発行するとしたら、何に気をつける?」
「お金なんか発行したことないから、わからないよ」
「そっかぁ。それじゃ、私が発行しようかな。美奈子コイン、と」
「すごい、ネーミングセンス……」
「美奈子コインは、できるだけ多くの人に使ってもらいたいと思っているけど、それには何が必要かというとね……まず、次のことが大事になると思うの。」
・ 便利であること
・ 価値が下がらないこと
・ 贋金づくりは防止されていること
「サトシはさっき、めんどうくさいって言ったけど、パソコンやスマホを使ってビットコインをやりとりすることを便利だと思う人は大勢いるの」
「でも、電気がないところだと使えないんだろう?」
「もう、地球上にそんなところはほとんどないわよ。発電方式は変わるかもしれないけど、電力に依存する生活は、向こう100年は変わらないと思うわ」
「普通に現金を使うのはダメなの?」
「正確にいうとね、現金を使うことを嫌だと感じる人にとって、ビットコインはまさに魔法の通貨だったの」

ビットコインの最初の利用者は……違法サイト

「ビットコインの便利さに目をつけたのは、ある特定の人たちよ。取引相手が世界各地に散らばっていて、銀行を通して現金のやりとりをしたくない人たち。つまりは、犯罪行為ギリギリのことをするような違法サイトの住人たち、ね。彼らはビットコインの便利さと匿名性に目をつけたの」
「ネットワークを利用して、お金を送ることがそんなに便利だったの?今だって、銀行振込とかいろいろあるじゃないか」
「銀行を通したやりとりでは、あまり大金を使うことができないの。実際、大金が振り込まれるような怪しい取引を見つけたら、それだけで警察に通報される国もあるわ。それに送金をする際に、通貨単位がそれぞれ違うと交換するのに莫大な為替手数料がかかる。ビットコインは、その点、誰にも監視されずに手数料も格安で取引ができる」
「そういうサイトはいまもあるの?」(※)
「いいえ、2013年5月にアメリカ当局(FBI)は、一番大きな有名違法サイトを閉鎖させて、そういう違法なビットコインを使った取引を一斉に取り締まったわ。それでもネット上には類似サイトが生まれては、摘発を受けることの繰り返しね。他にも誘拐事件の身代金をビットコインで要求するような犯罪も起こってるわね。ビットコインの送受信はびっくりするくらい簡単で、さらにビットコインの持ち主を追跡するシステムがないことを今では世界中の人がよく知ってるためよ」
「なんだか、怖いね」
「ビットコインのことが大々的に報道されたのは、この時が一番最初だったわ。摘発された有名サイトでは違法ドラッグや脱法ハーブをビットコインを使って取引してたの。でも、こうした犯罪行為によって、皮肉なことにビットコインの特徴や優れた点について、皆知ることになったの。この事件で、世界中でビットコインを手に入れたいと思う人がグッと増えたわ

ビットコインには価値が下がらない仕組みがある

「有名になりさえすれば、価値が下がらないようになるのは、それほど難しいことではないのよ」
「うん、わかる。ニュースになったり、友達が持ってたりすると、途端に欲しくなるもの」
「そうね。それ以外にもビットコインはもうひとつ、価値が下がらない仕組みがあるのよ」
「え?何、教えて?」
「ビットコインは限定商品だったの」
「えー、なにそれ。どういうこと?」
「ビットコインは、総発行枚数2,100万枚と決まっているのね。2140年までに全部採掘されるんだけど、まだ半分くらいしか出回ってないから、欲しがる人が増えれば、当然、値段も上がるわよね」
「その仕組み考えた人、マジ、ヤバくない?」
「まあね、それはさておき、さっきから、わたし『採掘』って言ってるんだけど、変だと思わない?」
「ネットワークの中を掘るんでしょう。なんか特定のサイト上でブラウザを100回くらい更新するとか、そういう感じ?」
「そんなyoutubeの再生数稼ぎみたいなことしないわよ。
それが、贋金造りの防止と深く関わってくるんだけど、そろそろ余白も少ないから、また次回にしようかな」
「まさかの前フリから一回またぎ?早くお風呂に入りたいんだけど(笑)」

<サトシがわかったこと>
1、銀行を通さずに個人のパソコンやスマホ同士でお金のやりとりができる
2、ビットコインは2,100万枚までしか発行しないルールがある
※注)シルクロードというサイトでは、違法薬物から銃、クレジットカードのナンバーなどを取引する闇サイトとして有名でした。そこではビットコインのみを唯一の通貨として認めていました。

この記事のライター

ルウ・ハイアン

文筆家・歴史家として各メディアに寄稿。投資家としての側面も持ち、投資界隈の話題には事欠かない。また経済のトピックを誰にでもわかるように話す技術には定評がある。映画や書籍、または海外ゴシップにも精通している。日本語の他に、中国語・英語も堪能。

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