小学生でもわかるビットコイン⑤ ビットコインの秘密の鍵をなくすとどうなる?

2017年11月3日更新

<前回のあらすじ>
ビットコインが欲しい小学生サトシ(12)は、母親の美奈子(38)からビットコインの入手方法、歴史、独自の管理システムなどを教わり、ビットコインの知識をどんどん深めていった。しかしその矢先、学校のクラスメイト・ノリタケくんのビットコインが盗まれるという事件が発生し、その犯人候補にサトシの名前があがり……。

突然疑われたサトシ

「え! それ本当?サトシはビットコイン財布の秘密の鍵を知っていたの?」
「うん。前にノリタケくんがいじめられてる時に、助けてあげたことがあったんだよね。そうしたらなんかマークが書かれた紙をくれて。」
「そこに書かれていたのが秘密の鍵だったというの?」
「うん、ノリタケくんはそうだって言ってたよ。」
「あなた、もうノリタケくんからビットコインを貰っていたのよ。秘密の鍵というのはビットコインそのものなのよ。それを使えば、ビットコインを財布から自由自在に出せるのよ。(※)」
「あれがそうだったの? なんだよ。ノリタケのやつ言えばいいのに。」
「……。」
「でも、僕はビットコインなんて触ってもいないから、ビットコインがなくなったかって知らないよ。」
「その秘密の鍵が書かれた紙はどうしたの?」
「たぶん、どこかに捨てたかも……?」
「それで、サトシが指さされてホームルームはどうなったの?」
「ホームルームでは、みんな一斉に僕の方を向いたけど、『ビットコインってパソコンやスマホがないともらえないんだろう?僕は両方持ってないから僕は盗めないじゃん』と言ったら、先生もみんなも納得してたよ。……クラスでスマホ持ってないの僕だけって有名なんだよね。」
「そう、それはラッキーだったわね。」
「いまどき、みんな持ってるのに、ママって本当に頑固だよね。」
「自分で買えるようになったら、買えばいいじゃない。ママは止めないわよ。」
「なんだよ。みんな親に買ってもらってるのに。」

名探偵 美奈子ママの推理は……

「ママ思うんだけど、ノリタケくんは秘密の鍵をサトシにあげて、ビットコインを取り出せなくなっちゃったんじゃないかしら。いじめから助けてくれたお礼にビットコイン財布の秘密の鍵をサトシに渡しちゃったけど、後で、その鍵がとても大事なことに気づいて、引っ込みがつかなくなって、ハッカーに盗まれたなんて言い出したんじゃないかしら。」
「たしかにノリタケって少し変わってるから、そういうことするかもしれない。普通に紙を返してって言ったら返してあげたのに……。」
「きっと、お礼であなたにあげた手前言えなかったんだよ。秘密の鍵自体はとても大事なものだから親御さんが、別で保管していると思うけど……。」
「なら、心配する必要はないってこと?」
「まあね。ホームルームはどうなったの?」
「ホームルームでは、結局なくなった理由がわからないままだったから先生も困ってね、『学校にお金を持って来ちゃいけません』ということに落ち着いたの。」
「なんだ、そうだったのね。サトシは疑いも晴れたし、よかったじゃない。」
「そうだけどさ、なんだかスッキリしないよ。結局、僕はビットコインを手に入れられないままだろう。」
「まぁ、いいじゃない。欲しい時に欲しいモノが手に入らない経験は、子どものうちにしておくべきよ。」
「なんでさ?」
「欲しいモノがあったら、頑張って手を伸ばすようになるでしょう。その頑張りがサトシを成長させるのよ。ママはサトシが金持ちになろうとなるまいと構わないけど、努力をする子には育って欲しいと思うからね。」
「……ふーん。」

<サトシがわかったこと>
1、ビットコイン財布の秘密の鍵はなくすと、ビットコインを取り出せなくなる
2、ママに愛されている
注※)ビットコインのセキュリティについて
ビットコインは現在、投機商品のように扱われるため、すぐに換金、できるように取引所のオンライン財布(ウォレット)に入れっぱなしという人がいますが、取引所はハッカーに狙われやすく、幾度も盗難被害が報告されています。そのため、ビットコインを購買したら、外部財布(ウォレット)に入れておくというやり方が推奨されています。

現在、財布(ウォレット)には、以下の4種類に分類されます。
ペーパーウォレットの例:https://bitcoinpaperwallet.com

この記事のライター

ルウ・ハイアン

文筆家・歴史家として各メディアに寄稿。投資家としての側面も持ち、投資界隈の話題には事欠かない。また経済のトピックを誰にでもわかるように話す技術には定評がある。映画や書籍、または海外ゴシップにも精通している。日本語の他に、中国語・英語も堪能。

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