NISA口座の期限満了。売却かロールオーバーか、どうする?

2019年1月5日

2014年から導入されたNISA。制度スタート時から口座を利用していた場合、運用期間は5年が経過し、2014年からNISA口座で購入していた証券等は優遇税制適用期間の期限を迎えます。みなさんはどのようにしましたか?

そもそもNISAとは

少額投資非課税制度の略で、年間最大120万円までの投資によって得られた利益(売却益、分配益、配当金など)が非課税になるという税制が優遇された制度です。通常の課税口座(一般口座、特定口座)による売却益には譲渡所得として約 20%の課税がなされるので、この税金分がお得になります。

期限が切れたらどうなるの?

NISA利用が満了となる5年の期限がそろそろだ、と気になっている方も多いのではないでしょうか。この際には、証券会社からアナウンスが入ります。どうするのかを自分で選択して手続きを取りますが、選択肢としては以下の3つがあります。
1)期限内に売却する
2)課税口座へ移管する
3)2019年のNISA枠の中で(120万円)、ロールオーバーする。継続する。
1)期限内に売却する
期限内の決済によって、NISA口座ならではの税制優遇を享受するには良い方法です。
課税口座において利益に対して課される譲渡所得に対する約20%の税金がかからず、大きな利益が得られます。しかし、購入時よりも売却時の価格が下がっていたとした場合には、注意が必要です。もちろん、損をしているので課税されることはないのですが、NISA口座と課税口座との間においては他の取引でのプラスからマイナス分を差し引ける、損益通算ができません。NISA口座については、その取引で損失が出ても、救済措置はありません。
2)課税口座へ移管する
非課税期間満了時、特定口座または一般口座へ払い出すことができます。ロールオーバーの手続きをしない場合は、自動的に課税口座へ移管されていきます。課税口座へ移管するときは、移管した時点の評価額(非課税期間満了時の時価)が課税口座における取得価額となります。移管後に売却したときは、その取得価額をベースにして課税されることになります。
通常の取引通りに損益通算等ができます。もちろん、課税口座への払い出しとなるため、非課税の取扱いはありません。
3)ロールオーバーする
今現在、収益があったとして、この先もっと上昇していくポテンシャルのある銘柄で、まだ売却したくない場合、次年度の枠内(120万円)で継続させていくことが出来ます。
ロールオーバーするには手続きが必要ですので、証券会社に確認してください。

ロールオーバーのルール

2014年においては、NISA投資限度額は1年100万円でした。
※ケース1
100万円いっぱいに投資したものの評価が上がって、150万円になっているとした場合。
2019年の120万円のNISA投資限度額の中でロールオーバーできるのでしょうか?これは、可能です。2017年度の法改正によって、ロールオーバー可能金額の上限が撤廃されました。ただし、2014年時点の投資額100万円と2019年の投資限度額120万円の差額が20万あるからと、あと20万円さらに枠があるのかといえばそれはできません。2018年末の評価額(移管時の価額)がロールオーバーされる額になります。
※ケース2
購入時に100万、非課税期間の終了時に90万に評価が下がっていたものを、ロールオーバーすると、2019年の非課税枠は、あと30万円分ある、ということです。
参考:金融庁「NISAとは?」

ロールオーバーさせるものとさせないものを選別

残念ながら5年間の間に株価が上がらず売るに売れないという場合も、もしかしたらあと5年間の間に、株価が上昇する可能性はあります。しかし、2019年のNISA口座購入限度額は120万円です。譲渡所得非課税の恩恵を受けるにあたっては、ほかの商品や銘柄を新たに選んだ方が効果的かもしれません。
ロールオーバーさせたいのは、今以上に評価が上がっていくと思われるものだけにして、評価が下がっているならば自分の判断を反省しつつ、損切りすることもこれからの投資を成功させていくための勉強になるのではないでしょうか。

この記事のライター

高橋禎美

ファイナンシャルプランナー/ 一種証券外務員/ パーソナルカラーアドバイザー
大手アパレルメーカーを退職後、FPとして独立。個人FP相談や投資初心者の女性に向けた「はじめての投資」セミナーを開催中。お金とファッションに興味のある30代以上の女性に支持されている。

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